目次
はじめに―一つの時代の証言
容共か反共か
国鉄の宥和労政
動労と鉄労
職場の労働運動
汽車から電車へ
マル生運動の挫折
鬼の時代
スト権スト
国鉄再建と労使
国鉄労政の転換
分割民営化への道
国労の瓦解
著者等紹介
升田嘉夫[マスダヨシオ]
1935年京都府に生まれる。1958年大阪市立大学経済学部卒業、国鉄に入社。1985年国鉄を退社し、それ以降、国鉄・JR西日本の関連事業会社に勤務。2004年JR西日本関連事業会社を退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スズキパル
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戦後日本の労働運動を牽引してきた国労の誕生から、国鉄解体までの労働運動の通史。国労・鉄労・動労などの各労働組合の、国鉄経営陣との協力・対立関係が目まぐるしく変化している上、政府の労使関係に対する介入もしばしばあって、「物語」の展開はややこしい。活発な労働運動の副作用である職場での規律の興廃など、当時の国鉄の抱えた深刻な問題もよく伝わってきた。国労の解体が官公労を中心とする総評の瓦解を生み、ひいては55年体制の崩壊につながった事を考えると、国鉄の労使関係は「戦後的なるもの」のひとつの象徴なのかもしれない。2013/10/24
みちしるべ
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鉄道会社勤務の知人から、組合間の対立関係を聞いて、どういう経緯があったのか、興味を持ったので、読んだ。 この本を読んで、1975年にスト権奪還ストがあったことを知った。 話は変わるが、ストの映像をネットで探したが、見つかったのは1本だけ。ただ、会社・労組・政治家が当事者としての思惑を語っていて、面白かった。 私たちには、近現代こそ学ぶ意味があると思う。 特に、政治や経済上の出来事の裏にあった価値観間の摩擦・闘争こそ、総合学習の恰好の題材だ。 当事者の声が動画で残る時代だから、教材に活用してみては?2022/07/18