内容説明
本書では、まず、冷戦時代の核抑止論の変遷から説き起こし、現ブッシュ政権の新たな抑止戦略と新ミサイル防衛構想(MD構想)の意義についてより詳しく解説することを試みた。また、本書の後半では、わが国にとっての弾道ミサイル防衛の意義や課題について論述した。そのなかで、わが国の弾道ミサイル防衛を総合的に考えるうえで、「5D」、すなわち、予防(Dissuasion)、抑止(Deterrence)、拒否(Denial)、防衛(Defense)、極限(Damage Confinement)という五つのファクターの相乗効果を求めていくことが必要となることを提起している。
目次
第1章 核抑止戦略の変遷
第2章 軍備管理・軍縮と弾道ミサイル防衛計画の変遷
第3章 米露以外の諸国の核戦略
第4章 米国の戦略転換の背景と脅威評価
第5章 米国の描く新たな核抑止戦略と各国の反応
第6章 米国のMD構想と課題
第7章 日本周辺地域でのMDアーキテクチュア
第8章 日本の安全保障政策における弾道ミサイル防衛の意義
第9章 わが国の弾道ミサイル防衛のための五つの方策
第10章 弾道ミサイル防衛のための運用のあり方
第11章 日本の安全保障政策における弾道ミサイル防衛の課題
付録 米国の弾道ミサイル防衛(MD)構想(資料編)
著者等紹介
金田秀昭[カネダヒデアキ]
岡崎研究所特別研究員。昭和20年神奈川県生まれ。防衛大学校(機械工学)昭和43年卒業。米海軍大学指揮課程修了。海幕防衛課長、第4護衛隊群司令、統幕第5幕僚室長(政策担当)、護衛艦隊司令官を経て平成11年退職(海将)後、現職。ハーバード大学上席特別研究員、慶応義塾大学総合政策学部特別招聘教授
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