内容説明
わたしは何者なのか。なぜここにいるのか。英国・アフリカ・カリブ・合衆国からなる「黒い大西洋」。その複雑な歴史文化をみつめるポストコロニアル文化批評は、私たちの「今とここ」をも問い返す。“われわれの時代の文学の巨星”、待望の本邦初訳。
目次
日本語版序文 エグザイルのたのしみ
序章 新しい世界のかたち
合衆国(人種という重荷;リチャード・ライト『アメリカの息子』 ほか)
アフリカ(アフリカからの特電;アマドゥ・ハンパテ・バー『ワングランの不思議』 ほか)
カリブ(故郷喪失の恵み;セント・キッツ―一九八三年九月十九日 ほか)
英国(小さな荷物;イグナティウス・サンチョ―黒いイギリス文人 ほか)
終章 帰属への「大いなる不安」
著者等紹介
フィリップス,キャリル[フィリップス,キャリル][Phillips,Caryl]
1958年カリブ海のセント・キッツ生まれ。生後まもなくイギリスに移住。現在まで、ブッカー賞最終候補に残ったThe Nature of Blood(1997)、PEN/Beyond Margins Award受賞のDancing in the Dark(2005)をはじめとする8作の小説があり、作品は主要なヨーロッパ言語に翻訳されている。3作のノンフィクションがある他、作品集の編集も手がけている。現在はニューヨークとセント・キッツを主な居住地としながら、大西洋を行き来している
上野直子[ウエノナオコ]
獨協大学外国語学部英語学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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