出版社内容情報
元来、孤独を好む類人猿であったヒトが、数百万年前に絶滅の危機に瀕し、互いに助けあう必要に直面した。そのとき手に入れたのが感情という能力である。人間の本質たる社会性の起源を、社会学、先史人類学、神経学の最新成果を縦横に駆使して解明した問題作。
目次
第1章 遠い祖先の感情コミュニケーション(進化した類人猿;霊長類の進化;霊長類の社会構造;アフリカの林地とサヴァンナへの類人猿の適応;ヒト科における感情進化;霊長類の遺産と人間相互作用;人間相互作用の解剖学的特徴―とりあえずの結び)
第2章 選択力と感情の進化(間接的な選択力;直接的な選択力;むすび)
第3章 人間の感情レパートリー(どの感情が原基的であるか;人間の感情喚起)
第4章 人間感情の神経学(いくつかの限定と重要事項;感情の進化途上における神経学的変化;思考と考えること;対人過程を研究することの意義;むすび)
第5章 どのような種類の感情動物であるか(ここまでの概要;推論によって導かれるいくつかの含意;むすび)
著者等紹介
ターナー,ジョナサン・H.[ターナー,ジョナサンH.][Turner,Jonathan H.]
カリフォルニア大学リヴァーサイド校教授。1968年、コーネル大学で博士号(Ph.D.)取得。元太平洋社会学会会長。Patterns of Social Organization(1972)、A Theory of Social Interaction(1988)、The Structure of Sociological Theory(1998)、Face‐to‐Face(2002)、Incest:Origins of the Taboo(2005)、The Sociology of Emotions(with Jan E.Stets,2006)など多数の著書・論文を著わしているアメリカを代表する理論社会学者の一人であり、近年、人間感情の進化論的な社会学理論の構築に努めている
正岡寛司[マサオカカンジ]
1935年、広島市生。早稲田大学名誉教授。元日本家族社会学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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