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出版社内容情報
自閉症・アスペルガー症候群のある子どもに対する教育と介入方法はどうすれば意味あるものにできるのか。学校選びから卒業後の進路指導まで、イギリスでの事例を中心として具体的に紹介する。
第1章 自閉症スペクトラムと教育へのかかわり
第2章 評定と診断
第3章 学校選び
第4章 教育介入法
第5章 教育方法と行動マネージメントを計画するためのアセスメント
第6章 おとなと子どもからの支援
第7章 卒業後の人生
[補遺]自閉症スペクトラムの子どもの学校選びを追跡するための書式
参考文献
監修者あとがき
索 引
監修者あとがき
本書の大きな特徴として、次の3点を挙げたい。第一に、今までの研究の蓄積をバランスよく紹介していることである。本書はイギリスで出版されたものであるが、日本の武蔵野東学園で行われている生活療法からアメリカ合衆国ノースカロライナ州で行われているTEACCHプログラム、そしてイギリスでの地域に根ざした取り組みまで網羅している。
第二に、子どもたちへの支援を学齢期だけではなく、一生涯というスパンで考えることの重要性を示している。学校にいる期間は、卒業後の時間に比べるととても短い期間である。その短い期間になすべきことはたくさんあるが、その間に全てを完成させることはできない。学校では、学校卒業後の人生を有意義に送るための基礎作りが行われなければならない。それは、子ども自身が習得するべきことだけではなく、子どもと共に生活していく大人たちが身に付けていくことが望まれる知識や技術や考え方も含まれている。
そして、三番目に、自閉症スペクトラムの子ども本人だけではなく、保護者や兄弟、介助者など、子どもとかかわる人たちが必要としている支援についても触れられている。むしろ、子どもたちを支援する立場にある人たちの目線由の一つかもしれない。これは本書の監修にあたって気づいたことである。膨大な数の専門書や研究報告書が出版されているが、実際に自閉症のある子どもを初めて担当した教員がそれらをすべて読み込み、自分の力とすることは難しいことであろう。イギリスでの自閉症教育について書かれたものではあるが、本書には、現在日本の自閉症教育で取り入れられているほとんどのノウハウが網羅されている。
本書で紹介されている指導法については、ほとんどのものが日本でも実施されているものであり、より詳しい参考図書も入手することが可能である。検査類についてもほとんどの検査の日本版が作成され、出版されている。校内の支援体制や人的支援の制度についても、参考になる部分が多い。日本の新たな特別支援教育の制度については、イギリスの特殊教育を参考にしている部分が多いからである。したがって、特別支援教育コーディネーターの役割や小・中学校における自閉症スペクトラムの子どもたちへの支援については、参考にして取り入れることができる内容がたくさん述べられている。
同じ障害名が付いていても、子どもは一人ひとり異なる教育的ニーズを持っている。一人ひとりのニーズに合わせて支
目次
第1章 自閉症スペクトラムと教育へのかかわり
第2章 評定と診断
第3章 学校選び
第4章 教育介入法
第5章 教育方法と行動マネージメントを計画するためのアセスメント
第6章 おとなと子どもからの支援
第7章 卒業後の人生
著者等紹介
ジョーンズ,グレニス[ジョーンズ,グレニス][Jones,Glenys]
自閉症の専門家であり、心理士として自閉症スペクトラムの子ども、成人に対する教育と介入のための研究・実践を20年以上続けている。現在、英国バーミンガム大学講師。著書・論文を多数発表しているほか、自閉症スペクトラム障害に関する研究専門誌であるGood Autism Practice(British Institute of Learning Disabilities)の編集にも携わっている
緒方明子[オガタアキコ]
1954年生まれ。筑波大学大学院博士課程心身障害学研究科修了、教育学博士。明治学院大学心理学部教授
海輪由香子[カイワユカコ]
1952年生まれ。東京都立大学人文学部人文学科卒業。翻訳業(心理学・歴史・評論などの分野)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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