出版社内容情報
強大な経済力と軍事力を背景に世界に対して追従を求め、時に単独行動さえ辞さない超大国アメリカ。その行動を読み解くために、現代アメリカの政治・経済・社会、その根底にある自由・平等の理念や価値観、歴史的背景にまで言及した、アメリカを知るための書。
本書をお読みになる方々に
第1章 アメリカの見取り図――三世紀の歩み
第1節 独立宣言から憲法制定へ――一八世紀
第2節 国内体制の整備から海外へ――一九世紀
第3節 世界大国へ――二〇世紀前半(一九〇〇~四五年)
第4節 世界の超大国と冷戦――二〇世紀後半(一九四五~九〇年)
第2章 アメリカの政治
第1節 「自由主義」と「民主主義」の対立と統合――「民主国家」と「帝国」のはざまでゆれる超大国
第2節 政治機構の構造――権力分割と「抑制と均衡(チェック・アンド・バランス)」の仕組み
第3節 政党と利益集団――二大政党制と多元的政治過程のダイナミズム
第4節 選挙と政治資金――対立構図の変容と激化する多数派争い
第3章 アメリカの経済
第1節 経済超大国の光と影
第2節 アメリカ産業の実力
第3節 企業経営――日本に先駆けたアメリカの仕組み
第4節 財政再建への取り組み――独自の政策的枠組みを構築する力
第5節 本音がのぞく通商政策――保護主義と自由主義の相克
第4章 アメリカの社会
第1節 アメリカの宗教――神の下の国家
第2節 アメリカの教育――多様性
本書をお読みになる方々に
イチロー、松井の活躍やハリウッド映画についての情報など、アメリカ発のニュースは連日のように日本のマスコミを賑わせている。もちろん、アメリカの政治や経済に関するニュースも同様である。それは、アメリカという国の持つ重要性や影響力を反映したものといえるだろう。
アメリカは今や世界で唯一の超大国である。世界のGDP(国内総生産)の約三割を占める経済力に加え、最強の軍事力を持ち、アメリカで生まれた規準(アメリカン・スタンダード)が国際標準として通用し、多様で活力あふれる文化や社会は世界の人々を引きつけている。その実力を背景に、アメリカは、世界各国に対して自国の方針や考え方に倣うことを求めるばかりでなく、重要な国益が絡む場合には単独行動さえ辞さない。こうしたアメリカの行動を見ると、その根源には“アメリカ原理主義”とでもいうべき独特な発想があるのではないかと疑いたくなることもある。超大国アメリカとどのようにつきあっていくかは、日本だけでなく、世界各国にとっての重大問題になってきた。世界中が“アメリカ問題”に直面しているといってもよい。
しかし、表面的にアメリカの行動を追うだけでは、アメ
内容説明
本書は、建国時代から連綿と生き続ける理念が、現代アメリカの政治・経済・社会・外交にどのように影響を与えているかを考える。第2章以下の各論では主として九〇年代以降の動きを扱っているが、そこでもアメリカの理念がその行動にどのような影響を及ぼしているかを理解しようとつとめている。
目次
第1章 アメリカの見取り図―三世紀の歩み(独立宣言から憲法制定へ―一八世紀;国内体制の整備から海外へ―一九世紀 ほか)
第2章 アメリカの政治(「自由主義」と「民主主義」の対立と統合―「民主国家」と「帝国」のはざまでゆれる超大国;政治機構の構造―権力分割と「抑制と均衡」の仕組み ほか)
第3章 アメリカの経済(経済超大国の光と影;アメリカ産業の実力 ほか)
第4章 アメリカの社会(アメリカの宗教―神の下の国家;アメリカの教育―多様性に彩られた教育 ほか)
第5章 アメリカの外交・安全保障(アメリカ外交の特質―正義と国益;冷戦後の外交・安全保障政策―アメリカの使命をめぐる試行錯誤 ほか)
著者等紹介
堀本武功[ホリモトタケノリ]
中央大学法学部卒業・デリー大学政治学修士。国立国会図書館調査局長を経て、現在、尚美学園大学総合政策学部教授。専攻はアメリカのアジア外交・南アジアの国際関係
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