エリア・スタディーズ
パキスタンを知るための60章

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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750317625
  • NDC分類 302.257
  • Cコード C0336

出版社内容情報

「イスラム国家」として1947年に分離独立したパキスタン。大国インドとの度重なる争い、複雑な民族構成により生じる葛藤など、パキスタンが抱える光と闇を文化、歴史、政治、経済などさまざまな角度から浮き彫りにし、この国の「現在」と魅力を描きだす。

 1 パキスタンの輪郭

第01章 ゴッドファーザーの夢と現実…パキスタンの国名
第02章 前線国家、月世界、北極そして砂漠…パキスタンの位置・地理・気候
第03章 地域の歴史は国家の歴史に…歴史の流れ
第04章 活力の源となる多彩な民族…人々・民族・言語
第05章 「イスラーム国家」の三つの課題…パキスタンの政治事情
第06章 輝きを失ったかつての優等生…パキスタンの経済事情

 2 宗教・社会・文化

第07章 さまざまな人々をつなぐ信仰…パキスタンのイスラーム
第08章 立春の風物詩、バサント…凧揚げの是非
第09章 イスラームの土着化…イスラーム神秘主義
第10章 中東・アジア諸国に囲まれて…イスラーム復興のネットワーク
第11章 パキスタンの宗教マイノリティー…クリスチャンの歴史と社会
第12章 女性が店に立つ…女性の社会進出のあらたな展開
第13章 シャルワール・カミーズで名物料理に舌鼓…パキスタンの衣・食・住
第14章 気ままな旅のすすめ…交通事情
第15章 匂いたつ花に囲まれて…冠婚葬祭
第16章 多言語社会をつなぐ…国語・ウルドゥー語
第17章 「パキスタン国民」をつくる…「小中学校り…観光資源

 4 政治・外交

第33章 多難な船出…建国の基本条件
第34章 歴史の半分は軍政下…民主主義と軍政
第35章 パキスタンは誰のもの?…政党と政治家
第36章 連邦に大きな権限あり…連邦制と州
第37章 揺れるイスラーム像…政治とイスラーム
第38章 国民と民族のあいだ…エスニック紛争
第39章 建国の功労者の反乱…ムハージル民族運動
第40章 美しい谷の長すぎる戦い…カシュミール紛争
第41章 がんじがらめの外交…インドの脅威のもとでの五〇年
第42章 裏切られてもすがりたい大国…対米関係
第43章 インドが持つならどうしても…核・ミサイル問題
第44章 戦いの果てにあるものは…アフガニスタン問題
第45章 難しい舵取り…イスラーム諸国との関係

 5 経済

第46章 緑の大地の恵み…アジア最大の灌漑農業がかかえる問題
第47章 日本とは異なる農村社会の諸相…パキスタンの農村
第48章 財閥形成とダイナミクス…パキスタンの財閥
第49章 キリギリス型消費のつけ…財政赤字
第50章 経済効率回復への挑戦…民営活力の導入
第51章 アフガン難民…パキスタンの社会・経済に与えた影響

 パキスタンが建国されてすでに半世紀以上がたつが、日本とパキスタンは比較的良好な関係を保ってきた。第二次大戦後は、パキスタンから輸入する綿花が日本の経済復興に大きな役割を果たし、また近年では、日本は最大の援助国として、パキスタンの発展を支援してきた。
 だが、日本とパキスタンの関係は、経済的なものにとどまらない。日本人のパキスタンへのかかわり方は、まさに人それぞれである。ガンダーラ美術に魅せられた人、歴史の教科書に載っているモエンジョ・ダーロやハラッパーの遺跡をみたいと願う人、「世界の屋根」と称される雪山に憧れる人、杏の花に囲まれた、北部の桃源郷に心を動かされる人、あるいは旧市街の喧騒に異国情緒をかきたてられる人、ムガル朝や英領期の建造物に目を見張る人など、パキスタンの魅力に惹きつけられる人々は少なくない。さらには、パキスタンを旅して、「メヘマーン・ナワーズィー」と呼ばれる、パキスタン人自身が誇る「客人歓待」の温かさにふれたことでパキスタンに興味を持った方々もおられるだろう。最近では、日本国内でも在日パキスタン人の姿が多くみられるようになり、彼らと結婚する日本人女性の数も増えている。このように日本とパキスタスタンの姿を知ってもらおうと、六〇のテーマに分けて紹介を試みたのが、本書『パキスタンを知るための60章』である。(後略)

はじめに 編者一同

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こっこ

1
パキスタンに滞在中の知人(パートナーがパキスタン人)の話を聞いてて、基礎知識が欲しくなって読んだ本2020/11/02

 

1
パキスタンに関する日本語の本はあまりないが、エリア・スタディーズは出してくれていた(ただ今は入手困難)。私がパキスタンに興味を持ったのはフンザの景色と美味しそうな料理で、多民族国家であることは知らず、特に北部地域の民族・言語の多様さには目をむいた。一方で国としてのパキスタンを見ると、特に政治で、同じ南アの英からの独立国でも、インドと違う難しい舵取りを常に要求されていて大変そうである。最終的にバローチスタンに行ってみたくなった。2020/12/06

うらら

1
パキスタンの場所もイマイチ分かっていない浅学の身にも読みやすかった。インドとの、お互いを否定しなければ国家のアイデンティティに関わる関係性が頭に残る。2019/04/02

cybermiso

1
興味深く読んだ、特に建国時の移民と土着の人の軋轢や、インドへの想像以上の対抗心と焦り、アフガニスタンの内戦の影響(米の対アフガンの拠点、アフガン難民の流入および定着)に驚いた。 以下は印象深い所を箇条書きに ・PAKISTANはそれぞれの地域、パンジャーブ、カシュミール、シンド、アフガン、バローチスターンを組み合わせたもの ・インドのムスリムが建国したため、国家の指導者と領土の人間が異なるギャップがあった、パキスタン建国時インドから移ったムスリム(ムハージル)とシンド人の対立もあった。 2018/12/24

ろーじゃ

1
恒例のエリア・スタディーズ。パキスタンに興味持ったきっかけが、インドよりも(特に肉)料理がおいしそうに見えたからなんて言えない…。2013/03/10

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