出版社内容情報
現代社会における地域福祉の理念と意義、その実践と展開等、現場からの視点でまとめられた、地域福祉論学習の入門書。社会福祉士養成科目内容に準拠しており、学生や実践者のための活動指針としても必携。
第1章 地域福祉の現代的展開と基本理念・概念[井岡勉]
第1節 地域福祉とは何か
第2節 地域福祉の形成と展開
第3節 地域福祉提起・重視の背景と21世紀への政策方向
第4節 地域福祉の基本理念
第5節 地域福祉の主要概念
第2章 現代の都市コミュニティと地域福祉[渡辺武男]
第1節 現代の都市コミュニティ
第2節 現代の都市と生活問題
第3節 都市コミュニティと地域福祉
第3章 現代の農山村(中山間)地域と地域福祉[瓦井昇]
第1節 中山間地域の過疎化の実態とその対策
第2節 要援護者の生活・福祉問題と社会資源
第3節 中山間地域の地域福祉実践──島根県瑞穂町の取り組み
第4節 市町村合併の動向と生活福祉問題への対策
第4章 地域福祉活動の展開史[鈴木五郎]
第1節 はじめに
第2節 戦後の窮乏から復興まで
第3節 高度経済成長期、保健福祉活動の時代
第4節 在宅高齢福祉活動の時代
第5章 地域福祉計画と地域福祉活動計画[藤井博志]
第1節 法定計画としての地域福祉計画
第2節 地域福祉計画の考え方
第5節 地域福祉推進と民生児童委員
第6節 地域福祉推進と社会福祉施設
第7節 行政の役割
第9章 地域福祉と利用者保護[間哲朗]
第1節 はじめに
第2節 社会福祉制度を利用しやすく
第3節 利用力の形成を
第10章 地域福祉の人材・財源[塚口伍喜夫]
第1節 地域福祉を支える人材
第2節 「専門職」の動向・課題
第3節 専門職と非専門職・ボランティアとの新たな関係の構築
第4節 地域福祉財源
第11章 地域福祉実践の課題と展望[野上文夫]
第1節 これからの地域福祉実践の意義と課題
第2節 21世紀型地域福祉システムの課題と展望
地域福祉論の登場は1970年代といわれているが、わが国の地域福祉活動実践の源流は1900年前後まで遡る。地域福祉活動は、時の経済社会そして政治をも反映した地域での社会的営みである。しかし社会福祉法成立以来今日ほど地域福祉が、理論、実践、政策、地方分権、住民意識等あらゆる面から注視されている時はないだろう。それは、児童、老人、障害者、単親家族、低所得などの対象・問題別の対応でなく、地域社会を基盤とするあらゆる住民の“地域自立生活”を総合的・一元的に支援するという社会福祉のあり方の深化にある。地域福祉の推進は、とうぜん国・地方自治体が第一義の責務を負い、これと自主的・批判的立場から協働する民間活動・住民活動によって成立する。その基本理念は生存権・平等権・幸福追求権の確保であり、具体的には個人の尊厳、人権擁護、住民(当事者)主体、自己決定が貫かれねばならない。
(中略)
本書の執筆者全員は、かつては社会福祉協議会(社協)に籍をおき都道府県・指定都市、全国の社協職員として指導的立場にあり、かつ長らく地域福祉の実践者として第一線で活動した者ばかりである。この点では社協パーソンが著す地域福祉論といえようが、いたずらに過去
内容説明
本書は社会福祉士等養成授業科目「地域福祉論」の目標と内容および出題基準に準拠しているが、たんに国家試験テキストにとどまらず、地域福祉の理論と実践について住民の立場からリアルに分析し、その展開方向・方策を提起しようと努めている。
目次
第1章 地域福祉の現代的展開と基本理念・概念
第2章 現代の都市コミュニティと地域福祉
第3章 現代の農山村(中山間)地域と地域福祉
第4章 地域福祉活動の展開史
第5章 地域福祉計画と地域福祉活動計画
第6章 地域福祉の推進課題とその方法
第7章 地域福祉推進と社会福祉協議会
第8章 地域福祉の推進組織・団体
第9章 地域福祉と利用者保護
第10章 地域福祉の人材・財源
第11章 地域福祉実践の課題と展望