明石ライブラリー
記憶と忘却の政治学―同化政策・戦争責任・集合的記憶

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750313023
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0336

出版社内容情報

アイヌ・沖縄・朝鮮・台湾

1 「同化」政策と創られた観念としての「日本」
 一 主題の設定――「同化」政策をどう見るか
 二 発端としての明治国家形成――分裂の克服と「中央」の確定
 三 「文明」の名による「同化」――原型としてのアイヌの場合
 四 「琉球処分」以後――忠誠の一元化
 五 「新領土」台湾――新しい忠誠の創出
 六 「日韓併合」以後――包摂と動員
 七 「日本」の拡大と価値内容の変化
 八 敗戦後の惰性とその克服
2 戦争責任論五〇年の変遷と今日的課題
 一 戦争責任意識の混迷から東京裁判へ――敗戦から講和「独立」まで
 二 「独立」後における戦争責任の再検討――一九五〇年代後半から六〇年代なかばまで
 三 ヴェトナム反戦と加害の意識化――一九六〇年代なかばから七〇年代前半まで
 四 大国意識と対外摩擦の中の戦争責任論
 五 「冷戦終結」後の戦争責任論と戦後補償――一九九〇年代
3 従属的ナショナリズムと集合的記憶
 一 集合的記憶との関連でみた従属的ナショナリズムの歴史的展開
 二 集合的記憶の一般的性格と日本での現われ方

内容説明

この本に収めた三つの部分は、敗戦から50年を契機に、著者が社会科学の方法的反省を試みた『社会科学再考―敗戦から半世紀の同時代史』を基礎として、当面緊急な課題と感じられる具体的な問題に即して三つの主題にとりくんだものである。発展主義と国民国家の思考枠組という日本の社会科学における宿弊を克服する試みを、現実分析の中で企図した。

目次

はじめに(過去と未来を結ぶ選択的行為としての記憶;権力状況の中における集合的記憶 ほか)
1 「同化」政策と創られた観念としての「日本」(主題の設定―「同化」政策をどう見るか;発端としての明治国家形成―分裂の克服と「中央」の確定 ほか)
2 戦争責任論50年の変遷と今日的課題(戦争責任意識の混迷から東京裁判へ―敗戦から講和「独立」まで;「独立」後における戦争責任の再検討―1950年代後半から60年代なかばまで ほか)
3 従属的ナショナリズムと集合的記憶(はじめに―この主題をとりあげた二契機;集合的記憶との関連でみた従属的ナショナリズムの歴史的展開 ほか)