出版社内容情報
非常民の視点から展開された晩年の金字塔,「村落共同体と性的規範」(1980-81),『非常民の民俗文化』(1986)の二編を所収した赤松啓介の民俗学の熟成。
第1部 村落共同体と性的規範
1 むかしばなし
2 世間ばなし
3 わらいばなし
4 ヂゲ(地下)
5 ムラの組織
6 若衆入り
7 あの夜のことは
8 馬乗り型
9 ソイブシ
10 筆おろし
11 弾圧と亡失
12 夜這いの特殊性
13 資料採取の問題
14 夜這いの資料
15 母子相姦の変化
16 商家の性民俗
17 草刈り型 ほか
第2部 『非常民の民俗文化』
(1)生活民俗と差別昔話 もぐらの嫁さがし 昔話の階級性
1 朝鮮民譚もぐらの嫁さがし[中里龍雄]
2 もぐらの嫁さがし[南方熊楠]
3 「もぐらの嫁さがし」に就て[栗山一夫]
4 一つの解説
5 山田の白滝姫物語
6 信太の森の葛の葉
7 民衆伝承の光と影
(2)非常民の民俗文化
1 村落共同体とは
2 間引き風俗
3 初潮の民俗
4 ムラと子供
5 誕生の祝い・子供のシツケ
6 子供仲間
7 コドモ集団の実態
8 コドモの性教育
9 コドモ集団の構造
10 炊き出し作業の機構
11 オナゴ連中の機能
内容説明
1986年(昭和61)に発表された赤松啓介の『非常民の民俗文化』(明石書店)は、民俗学はもとより、隣接する日本の人文科学、歴史学・女性学・教育学などにも大きな衝撃をもって迎えられた。非常民の視点から日本社会を射つ学問体系、あらゆる権力・権威におもねらず孤高を貫いたその生き方にも感銘の声が寄せられた。しかし、この非常民の視点が注目されるあまり、その基盤にあった赤松の方法論的模索と膨大なフイールドワークの成果は、かならずしも正当に評価されて来たとはいえなかった。本選集は、赤松の民俗学に対するこうした一面的評価を越え、その学問的成果の全体像を世に問うことを目的として編まれている。
目次
第1部 村落共同体と性的規範(むかしばなし;世間ばなし ほか)
第2部 『非常民の民俗文化』(生活民俗と差別昔話;(朝鮮民譚もぐらの嫁さがし(中里龍雄)
もぐらの嫁さがし(南方熊楠) ほか)
非常民の民俗文化(村落共同体とは;間引き風俗 ほか))