出版社内容情報
このムックを読めば、ブラームスのイメージが変わるかもしれない??。J.S. バッハ、ベートーヴェンと並び、「3大B」と称されるヨハネス・ブラームスのすべてがわかるムック。交響曲、協奏曲、室内楽曲、器楽曲、声楽曲……各ジャンルにまんべんなく、しかも精度の高い作品を残したブラームス。シューマン夫妻やJ. シュトラウス、ワーグナー、ドヴォルジャーク、ヨアヒム他、19 世紀を代表する音楽家たちとの交流にも注目しながらその人となり、作品を掘り下げる。併せてその作品の演奏史も追いながら、おすすめディスクも紹介。『音楽の友』『レコード芸術』編ならではの、演奏家への取材記事や、音楽学者のブラームス論など情報満載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
109
所属するアマオケの次の定演がブラームスの交響曲第3番。いつもブラームスを弾くと、小節線の位置が間違っているかと思えるくらい拍子の感覚がおかしくなってくる。でも、作品と生涯を概説した本書で、ブラームスの和声や構成感についての解説は多いが、私が戸惑いを覚える独特のリズム感について言及した記事が一切ないのだから、自分の感覚は間違っているのだろう。本書では交友関係の紹介が充実している。女性についても、定番のクララとの関係だけでなく、複数の女性たちとの真剣な恋愛の中に、ブラームスの不器用だけれど真摯な性格が伺える。2022/12/11
ジョンノレン
46
A4版、時系列の生涯編はなくいくつかの彼の特徴的な切り口で整理されておりわかりやすい。また現代の著名指揮者や独奏者にその音楽と演奏法を語らせるなど、結構踏み込んだ内容。私としてはこの本の重心はこのコーナーだった。演奏家の基本姿勢は楽譜、つまり作曲者の意図に忠実に、だが、パーボ・ヤルヴィーやメンゲローヴによれば、ブラームス自身は自作を多様に演奏するとともに、他の演奏家のそれにも寛容であった由。2024/01/10