夜這いの民俗学

夜這いの民俗学

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  • サイズ B6判/ページ数 128p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750305677
  • NDC分類 384.7
  • Cコード C0039

出版社内容情報

戦前の日本のムラで夜這いは一般的に行われていた。柳田民俗学が無視したこの習俗を的確に位置づけ,性の営為のおおらかさを描き,結婚との関係まで説き明かす。

1 夜這いの民俗学
2 夜這いの性教育
 1 ムラの仲間組織
 2 子供の遊びと性
 3 現役兵としての仲間組織
 4 若衆入りとその儀式
 5 フンドシとコシマキ祝い
 6 若衆への性教育―筆下ろし
 7 娘の民俗―初潮祝い
 8夜這い
 9 夜遊び
 10 祭や講の日の性習俗

目次

1 夜這いの民俗学
2 夜這いの性教育(ムラの仲間組織;子供の遊びと性;現役兵としての仲間組織;若衆入りとその儀式;フンドシとコシマキ祝い;若衆への性教育―筆下し;娘の民俗―初潮祝い;夜這い;夜遊び;祭りや講の日の性習俗)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つちのこ

33
収録された逸話は大正期から戦前のものが多いので、古典的要素は大。夜這いの風習による怨恨が事件の引き金の一つとなった、津山三十人殺し事件のあらましを反芻しながら読んだが、夜這いはムラ社会では年中行事の一つとして、実にシステマチックに管理運営されていたことに驚いた。そこには宗教的な背景のもと、貞操観念は抜きにして、性に大らかな土着信仰が見て取れるし、倫理観を欠いた猥雑さはあまり感じない。陰陽物が神社や寺に奉納される風習も無縁ではないように思う。柳田國男の民俗学をこっぴどくこけおどしているのは個人的には痛快。2023/11/23

はりねずみ

11
昔、近所のお爺さんが「俺が若い時は親達が性交を目の前で実演して、それで方法を覚えた」と言っていたのを思い出した。当時は若い女に対して意地悪を言いたいだけだと思っていたが、昔は性がいかに解放的であったか読後に納得。著者は、夜這は過酷な農作業に対する宗教、信仰の力を借りたムラ共同体の構造的機能だと考察している。ムラにより約束事は違うが、夜這いは特殊な風習なのではなく普通の事で、社会経済が変わり、次第になくなっていった。厄落しや人格薫陶の意味があったりと驚きの連続だった。著者の学者としての姿勢に頭が下がる。2014/03/12

ひねもすのたり

10
そもそも夜這いってなにさ?って話だと思うんですが、著者の赤松啓介は夜這いにこだわった民俗学者です。 2000年に亡くなっていますが、ここしばらく再評価されているようで復刊が相次いでいます。 近世から近代における農村を性の側面から捉えていますが、その語り口は独特でまさに赤松ワールド炸裂です。 柳田國男を真っ向から否定する姿勢から異端視されているようですが、実体験に基づいたフィールドワークはそれなりのリアリティがあるのも事実です。 おそらくこれらの背景には堕胎や泣き寝入りする女性の姿があると思うんですが↓2015/04/13

あなた

9
想い出話を民俗学というのはどうだろう。もし学問であるなら民俗学というディシプリンのイデオロギーぐらい自覚してもらわないとってそれはまあ酷な話か。でも、いちばん学問というイデオロギーに「知りませんよ顔」ですましてたのは民俗学なのだ。カルスタ以後、さすがに「内部告発」しはじめたが。それにしても上野千鶴子が帯でこの本を激賞してんだけどだいじょぶなのか(笑)。上野先生への名前拝借料、5000円とみた。ファイナルアンサー?イエス、ファイナルアンサー。2009/07/14

Hiroki Nishizumi

4
建て前だけでは見えないことも多いので、このような本音の調査は必要だと思う。ただ本書に関しては思ったより内容が薄かった気が・・・・2015/04/12

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