内容説明
おと、におい、てざわり、あじわいがみせてくれるゆたかないろのせかい。印刷された透明インクのふくらみをさわる体験が、想像力をひろげていく。世界が絶賛した新感覚絵本。ボローニャ国際児童図書展ラガッツィ賞(ニューホライズン部門)2007、ニューヨークタイムズ・ベスト・イラスト賞2008。
著者等紹介
コティン,メネナ[コティン,メネナ] [Cottin,Menena]
作家、アーティスト。1950年、ベネズエラ生まれ。グラフィックアートをベネズエラのカラカスにあるニューマン・デザイン学校で学ぶ。後にニューヨークのパーソン・デザイン・スクールで児童書の創作とイラストレーションを、プラット・インスティトゥートでアニメーションを学び、児童書の制作を始める
ファリア,ロサナ[ファリア,ロサナ] [Far´ia,Rosana]
イラストレーター、グラフィックデザイナー。1963年、ベネズエラ生まれ。ニューマン・デザイン学校でグラフィックアートを学ぶ。20冊以上の児童書のイラストを描いている
宇野和美[ウノカズミ]
翻訳家。大阪生まれ。出版社勤務を経て、スペイン語圏の本の翻訳に携わる。バルセロナ自治大学大学院修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
94
感じる絵本。黒い背景に透明なインクで模様やグラフィックが描かれている。イチゴやシダの葉や雨粒、水滴、凧、バッタなど。文章の上には点字が載っている。ベネズエラ生まれの作家とイラストレーター作のスペイン語の絵本。黒一色でも豊かな世界を見せてくれる。指で撫でながら味わえる本。サウザンブックス社発行。2007年ボローニャ国際児童図書賞ラガッツイ賞受賞。2021/10/10
(C17H26O4)
88
なんて素敵な本だろう。真っ黒な紙に広がる豊かな世界。これは点字の絵本。左ページにごく短い文章、右ページに絵。色彩は晴眼者のための文字の控えめな銀色だけ。絵も点字と同様に、黒インクで僅かに膨らみをつけて描かれている。まるで繊細なレリーフのよう。指先で触れながら読み、音やにおいや味や皮膚感覚によってイメージされる色に、いや色ばかりじゃない、美しく生き生きとした世界に、心躍りうっとりとした。目を閉じて紙面に触れてみた。そして目を閉じたままゆっくりと絵を読んだ。世界は美しいと誰もが感じる本じゃないだろうか。2022/10/23
がらくたどん
35
点字付き触る絵本の『音にさわる』(広瀬浩二郎)よりもう少しアート寄りで晴眼者が点字の存在に興味を持ち触読の体験を促すことに主眼を置いた絵本。本体の点字は規格より凹凸が少ない。もし規格点字にご興味があれば付録の点字テキストにも是非触れてみてください。街中の点字シートも見える文字同様に読みにくく擦り切れないうちに取り換えなくちゃって思えたら良いね。色を視覚だけでなく音だったり匂いだったりもちろん手触りだったりを総動員して自分の心に感じる豊かな知覚の在り方を体験するには本当に良く考えられた素敵な絵本だと思う。2021/12/05
ヒラP@ehon.gohon
31
感覚でとらえる絵本です。 黒地に、違う素材微かに描かれた模様と点字は、抽象的な世界です。 目の不自由な人は、色彩のない世界で、指先で探りながら、この絵本を敏感に感じ取っているのでしょうか。 物語性のない絵本です。 改めてタイトルの意味を感じました。2023/02/13
ふじ
29
新刊。目が見えない人が感じる色の世界を、特集なインクで表現した絵本。ぜひ、神経を研ぎ澄ませて読んでほしい。2019/12/18