出版社内容情報
近年、先進諸国における「貧困」と「格差」への社会的な関心が高まっている。本書では日本の貧困や所得格差の現状について、政府統計調査などのミクロ・データ(個票データ)をもとに実証的に分析。これまで主な分析対象とされてきた政府統計調査の集計データだけでは導き出されてこなかった、リスク要因の関連性が明らかとなる。また、貧困による影響のひとつである犯罪との関連、新型コロナウイルス感染症拡大の影響について分析する。貧困層・低所得層の実態とは。貧困対策を考えるうえでの必読書。
内容説明
複数の統計調査を基に様々な貧困の態様を明らかにする。先進諸国において、社会的な関心が高まっている貧困と格差。それらの要因が複合的に関連している可能性、貧困層・低所得層の実態、貧困リスクの高い人々への新型コロナの影響などを分析する。
目次
序章 データによる貧困へのアプローチ
第1部 家族、教育と貧困の分析(世帯属性と貧困の要因―「国民生活基礎調査」を基に;貧困と生活状況―「国民生活基礎調査」「全国消費実態調査」による分析;就労と貧困―「就業構造基本調査」による分析 ほか)
第2部 犯罪と経済的要因の分析(経済学における犯罪と経済的要因の実証研究;刑務所収容者における犯罪と経済的要因の関連―「矯正統計」による分析;少年鑑別所収容者における少年非行と経済的要因の関連―「少年矯正統計」による分析)
第3部 新型コロナウイルス感染症による低所得層への影響(新型コロナウイルス感染症拡大と就労・収入―統計データと学術研究から;新型コロナウイルス感染症拡大による環境変化と所得水準―内閣府調査による分析;「コロナなんでも相談会」電話相談記録票による分析 ほか)
著者等紹介
上田貴子[ウエダアツコ]
1983年東京大学経済学部卒業、1994年米国ウィスコンシン大学マディソン校Ph.D.(Economics)。東京都立大学経済学部助手、筑波大学社会工学系助手・講師を経て、2001年早稲田大学政治経済学部(現・政治経済学術院)専任講師、2002年助教授、2007年教授を経て、2022年早稲田大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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