早稲田大学エウプラクシス叢書<br> 松本清張が「砂の器」を書くまで―ベストセラーと新聞小説の一九五〇年代

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早稲田大学エウプラクシス叢書
松本清張が「砂の器」を書くまで―ベストセラーと新聞小説の一九五〇年代

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  • サイズ A5判/ページ数 292p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784657208026
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C3393

出版社内容情報

清張はいかにして国民的作家になったのか ?!
新進作家が地位と名誉とカネを手に入れ「現代の英雄」になるためには、マスコミの王者といわれた新聞で連載小説をヒットさせるのが近道だった。特に新聞が圧倒的存在感を示した1950年代は、そうであった。清張初の新聞小説「野盗伝奇」(1956年)は、共同通信の配信を通じて地方紙の夕刊に掲載された。新聞小説は掲載が夕刊か朝刊か。地方紙かブロック紙か、それとも全国紙かによって作家の成否を分けたと著者は分析する。読売新聞で1960年に連載が始まる「砂の器」により、清張は「現代の英雄」に大きく近づいた。とはいえ、全国紙から与えられた紙面は夕刊にすぎなかった。1000万人の読者数を誇るのは夕刊ではなく、朝刊だった。
清張が超えなければならない壁は三つあった。一つは、全国紙の朝刊を占めていたベテラン作家たち。残る二つとは…。
小説のうち今も最大の読者数を持つ新聞小説。その新聞小説と作家の深い関係に迫る著者の考察力は、学術書の領域を飛び越え、清張の推理小説に共通するスリリングさと展開力にあふれている。

内容説明

ミステリーよりスリリング。学術書はエンターテインメントだ!松本清張と新聞の深い仲。暴かれる『砂の器』の真実。

目次

松本清張と新聞小説の一九五〇年代
第1部 新聞小説家と私小説家(マスメディアの中の小説家―新聞小説家としての石川達三;新聞小説家の意見―石川達三の「自由」談義;ブームとなった私小説家―川崎長太郎の読者戦略)
第2部 清張、新聞小説を書く(新聞小説第一作―「野盗伝奇」論;清張は新聞小説をどう書いたのか―「黒い風土」の執筆風景;ブロック紙の読者への戦略―新聞小説としての「黒い風土」)
第3部 「砂の器」を読む(全国紙の新聞小説への挑戦―「砂の器」のたくらみ;“眼”から“耳”へ―「砂の器」を聴く;「砂の器」以降の清張、あるいは新聞小説についての覚書)

著者等紹介

山本幸正[ヤマモトユキマサ]
1972年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業、同大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。2017年5月に早稲田大学大学院教育学術院で博士(学術)を取得。15年9月から中国の大学に外籍教師として赴任。18年2月に中国上海にある復旦大学外文学院日語語言文学系の副教授に就任。16年4月に学術雑誌『アジア・文化・歴史』を創刊、編集責任を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

8
松本清張の研究書は多いが、新聞小説家として大を成すまでの清張に対象を絞った本は初めてだろう。その前史として社会小説の新聞連載で大成功を収めた石川達三を取り上げ、先輩作家を意識しながら現代ミステリーを新聞小説に書く清張の挑戦と実験を分析している。地方性を取り入れたり挿絵画家に毎日の絵組みを指示して揉めるなど、読者の興味を失わせぬよう工夫を凝らす有様は面白い。また、本書で取り上げられた『黄色い風土』が長い割には印象の薄い作品と感じたのは、単行本化に際して大幅に削除されたためらしい。ぜひ無削除版を出してほしい。2020/07/18

さんくん

1
デザイナー出身の清張が新聞小説の挿絵の下絵も手掛けたり、挿絵画家に構図や人物の視点を含め細かく指示を出してコントロールしようとしていた、しかし「黒い風土」などを手掛けた挿絵画家は自身のタッチを守るためにわざとその指示を無視した、など新聞小説家と挿絵画家の葛藤やバトルを紹介していて、恐ろしいな…と感じました。語りや登場人物の視点を制御することは読者に推理小説の楽しみを体験させる上で重要だったからこそ清張はそれに苦心したと。小説がこうして各方面との駆け引きや対決で成立しているのを改めて想起させます。2020/03/09

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