目次
第1章 王朝貴族の投薬と外的治療(王朝貴族の投薬;王朝貴族の外的治療)
第2章 王朝貴族の病悩―文学作品と古記録の比較(風病;寸白;飲水病 ほか)
第3章 王朝貴族の宗教的治療(加持祈祷と修法;陰陽師の施術;王朝貴族の宗教的治療)
著者等紹介
瀬戸まゆみ[セトマユミ]
1974年群馬県生まれ。駒沢女子大学人文学部日本文化学科卒業。駒沢女子大学大学院人文科学研究科仏教文化専攻修士課程修了。群馬県藤岡市教育委員会文化財保護課嘱託職員を経て現在、埼玉県内の大学図書館に勤務。国際日本文化研究センター研究補助員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫草
10
平安時代の古記録(御堂関白記、小右記、権記)から、平安貴族の病気とその治療についてを考察。何かちょっと物足りなかったかなぁ。隔靴搔痒というか。史料が少ないから仕方ないんだろうけれど。2022/07/18
すいか
2
平安時代の貴族の疾病に対する向かい合い方について、投薬や外的治療の状況を日記史料から丁寧に拾い出し、呪術頼みというわけではなかったということを示そうとする。だが、結局当時の医療レベルでは完治することはなく慢性的に病気を抱えていた状況にあり、精神的な安定=治癒とみなす考え方だったというのが興味深く、そのためのいわばセラピー的な効用として僧による加持祈祷や修法、陰陽師の卜占が有効だったというのは、「呪術頼み」というイメージを大きく改変するものではないのでは。2022/08/30
黒瀬温
0
平安時代って病気になったら祈祷をして終わりだったんでしょ?みたいなイメージの平安時代の医療だが、公家の日記を検索して解析してみるときちんとした役割分担のもとに投薬を受けていることが解る。 もちろん当時の医療なので現代から見れば稚拙ではある。でも稚拙ながら医療は医師の専門職であり、その上で僧侶の祈祷は精神的なブーストであり、陰陽師は理系に詳しいセカンドオピニオンであった(薬の処方が怪しいと思ったら相談したりする)。 処方された薬や相談した僧侶・陰陽師の一覧まで分かる。文系は統計学だぜという興奮がある。2023/06/22
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