内容説明
大規模災害から感染症、過疎問題まで、続発する災難を前に人文学は何ができるのか。東アジア各地で積み重ねられてきた災害対応の歴史や実践知、紡がれた言葉や思想を検討し、人文知を現代に活かす、新たな学問領域「東アジア災害人文学」への誘い。京大人文研共同研究の成果。
目次
序章 東アジア災害人文学への招待
第1部 災害をめぐる歴史と東アジア(滋賀県下の明治29年水害記念碑;中国における禹王の治水功績遺跡と伝承;中国災害考古学事始;防災と選別の社会学―〈仏像トリアージ〉から考える―)
第2部 災害をめぐる言葉と思想(和辻哲郎の「風土」論再考―風土としての看護的自然の日本芸術―;大地が揺れると思想が変わる―リスボン大地震と関東大震災をめぐる思想的地殻変動―;防災と風土の哲学―和辻哲郎の風土論を手掛かりにして―;風景とともに立ち直る2―風景とわたしはどのように一つであるのか、あるいはモニズムの論理と語り方―)
第3部 現場に関わる人文学と協働実践(試論 続発する災難ダイナミクスの時代と持続可能な地域復興―人文知と寄り合う互恵の関係づくりを求めて―;現場で活きる人文学の可能性―桜島防災を事例として―)
著者等紹介
山泰幸[ヤマヨシユキ]
関西学院大学災害復興制度研究所長、人間福祉学部長。専門:民俗学、思想史、社会文化理論
向井佑介[ムカイユウスケ]
京都大学人文科学研究所准教授。専門:中国考古学・歴史考古学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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