内容説明
古典文学作品から日本の食文化を探る。
目次
酒と菜と魚―和歌の表現との関わり
恋と食と―王朝女流文学の規範意識から見る
瓜と日本人
『六条葵上物語』からみる室町後期の擬人化された物語
『伊勢物語』から『料理物語』『仁勢物語』へ―「食」の文芸化と商品化を通して
東寺九条の水入菜は―『類船集』の「蕪」をめぐって
「瓜茄子」考
錦木・海苔飯・蜆汁―狂俳句をとおして探るイメージ
芭蕉の食膳―晩年の深川と伊賀の月見
食べる牡丹から観る牡丹へ―蕉門の牡丹狂騒曲
井原西鶴作品にみられる食文化―『万の文反古』を中心に
浮世草子『風流酒吸石亀』にみる酒席と食
cにみる『即席料理』
芝居のなかの食材―おもてなし料理と食材尽くし
文久二年(一八六二)の麻疹流行と食物―麻疹絵が示す食養生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメヲトコ
5
和食を「もの」からではなく文芸の観点から読み解く一冊。食について記すことがかつてはタブー視されていたという指摘、今では隔世の感がありますが、その転換がどのように起きたのかは興味があります。酒飯論についても興味深いですが、近世の上戸はあっさり味を、下戸は濃い味を好んだという話については、ふだん(安)居酒屋料理の脂っこくて塩辛い味に閉口している下戸の私には若干解せないところがあります。2020/11/21
高橋直也
0
近代文学と思いきや古典の世界での食べ物にまつわる話。 古い時代の書物には食べ物について記載が少ないと聞いた事があるけれど、結構あるもんですね。2021/01/21