光文社文庫<br> 青い枯葉―昭和ミステリールネサンス

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光文社文庫
青い枯葉―昭和ミステリールネサンス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 407p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334779498
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

昭和30年代に「宝石」誌などに作品を発表していたすぐれた推理小説を厳選して、復刻した傑作ミステリー集。

内容説明

大阪立売堀で機械器具の会社を営む橋田は、人生最大の危機に直面していた。二十年をかけて築き上げた会社が詐欺にあい、倒産寸前にまで追い詰められていたのだ。もはや金策も尽き、旧知の同業者に、愛人の秘書・由美子を差し出すほかに道はなかったが…。男達の欲望の間で生きる薄幸な女を描いた表題作等、社会の歪みの中で蠢く人々の闇をあぶり出す傑作七編!!

著者等紹介

黒岩重吾[クロイワジュウゴ]
1924年大阪市生まれ。同志社大在学中に学徒出陣により出征、戦後同大を卒業し、日本勧業証券(現みずほ証券)勤務をはじめ数種の職業を経験し、小説を執筆。’59年「青い火花」が「週刊朝日」「宝石」共催短篇探偵小説懸賞に入選。翌年には『背徳のメス』で直木賞を受賞。以後、社会派推理の旗手として活躍。一方、古代史にも材を求め’80年には『天の川の太陽』で吉川英治文学賞を受賞。’91年紫綬褒章受章、’92年には菊池寛賞を受賞した。2003年3月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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kiiseegen

9
黒岩ミステリー短編を 7つ 復刻で読めるとは嬉しい限り。昭和ミステリールネサンスシリーズの 5冊目らしいが、いやぁ面白かった...西成ものをもっと読みたい...。2019/12/17

JKD

7
昭和の匂いがプンプンする時代のドロドロ色恋事件の短編集。住吉神社とか今宮あたりのリアルな情景描写や、当時の夜の世界などノスタルジックな雰囲気を楽しめました。2020/01/13

鈴子

6
図書館で予約して借りた。閉架した本で表紙も無くなり、紙も黄茶になり、当時のフォントは細く、夜の電気スタンドでは、まぁなんと読みづらかった。ただ、こういった文庫本の持つ雰囲気と昭和の男女の話が松本清張ぽくて、なかなか良かった。女性の話言葉が気取っている感じで、当時の人って、実際こんな風に会話してたんでしょうかねぇ。2021/02/17

鷹ぼん

4
あっさり目の黒岩作品集。おとなしい作品をあえて集めたのかな?と思えるくらい。『青い火花』、『双恋の蜘蛛』、『檻を出た野獣』が好み。中でも『檻を出た野獣』からは、幼いころの記憶の片隅に強烈に焼き付いている舞台となった地域の情景そのまんまの描写で、物語を生々しく感じさせる。やはり黒岩重吾に求めるのは、こうした大阪の「枠の外」「底辺の底辺」で蠢く男女の物語かな。この短編集は「企業がらみ」の話が多く、その後の作品傾向への転換期とも思える。黒岩作品には復刊してほしい作品が山ほどあるので、各社、掘り起こししてほしい。2022/08/11

カノープス

3
粒揃いの短編集。黒岩重吾と大阪…過酷な環境での生活がもたらした、強いリアリズムと人間に対する深い洞察。それは欲望、愛憎、葛藤を深く抉り出し、男女の濃厚な愛欲、社会的抑圧の中で生きる人々の心理を緻密に描き、読む者に強い感情移入を促す。金や権力に翻弄される人間の姿が繰り返し描かれていて、それは大阪という商業都市の喧騒や生存競争の中で培われた視点と言えるだろう。大阪は単なる舞台設定を超え、黒岩の文学を支える精神的な土壌だった。彼の作品を通じて、大阪という都市のかつての息吹が今なお感じられるのは、その証左である。2025/03/17

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