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内容説明
「最大の不幸は最大の幸福の前触れ」丸裸にされた約束はとろける調べ道連れに…名作がスラスラよめる!世界文学旅行へお連れします。「ゲーテは元祖ファンタジー作家」というコンセプトで、デモーニッシュを感じさせる作品を集めてみました。
著者等紹介
ゲーテ,ヨハン・ヴォルフガング・フォン[ゲーテ,ヨハンヴォルフガングフォン] [Goethe,Johann Wolfgang von]
1749年ドイツ・フランクフルトに生まれる。小説「若きウェルテルの悩み」などにより疾風怒涛(文学革新運動)期の代表的存在となる。政治、美術研究、自然科学研究の分野でも活躍。1832年没
酒寄進一[サカヨリシンイチ]
1958年茨城県に生まれる。上智大学、ケルン大学、ミュンスター大学に学び、新潟大学講師を経て、和光大学表現学部総合文化学科教授。『砂漠の宝』で産経児童出版文化賞を、『犯罪』で本屋大賞特別企画「翻訳小説部門」の大賞を受賞
ヨシタケシンスケ[ヨシタケシンスケ]
1973年神奈川県に生まれる。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。『りんごかもしれない』で産経児童出版文化賞美術賞などを『もうぬげない』でボローニャ・ラガッツィ賞特別賞などを『このあとどうしちゃおう』で新風賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロリーヌ@ベルばら同盟
64
文豪ゲーテの作品への入門書というべきか、否か。訳者酒寄氏曰く、『ファウスト』はファンタジー文学の嚆矢であると。「魔性のもの」の意味を持つ「デモーニッシュ」理性では制御出来ない感情や衝動、薄暗い不条理な「魔性」を感じさせる短編三篇と、六篇の物語詩「バラード」で構成される、軽やかに読むのも、作品の背後にある宗教や、神話の世界に思いを馳せ、深掘りするも良し、な一冊。表題作、『魔法つかいの弟子』は、宮崎駿さんのアニメ『ハウルの動く城』のマルクルを始めとする、こまっしゃくれた少年たちを思わせる。なるほど、なるほど。2022/02/07
空猫
39
【シリーズ16作目】ゲーテと言えば格言集しか馴染みがなく、超長編は手が出ずしまいで。短編のファンタジー色満載な童話もあったのだ。しかも『魔法使いの弟子』はディズニー「ファンタジア」、シューベルトの『魔王』も!ゲーテだったのか。詩は翻訳のせいか?よく分からなかったし、おとぎ話は好みではなく斜め読み。あーうん『ファウスト』なー。死ぬまでに読めるかなー。2021/10/16
かんやん
34
学生時代、失恋の傷を癒そうと『若きウェルテルの悩み』を読んで、そのあまりの退屈さに悶絶したことを思い出す。『詩と真実』やら『ヴィルヘルム・マイスター』やらの作中作のメルヘンは、短編なのに正直悶絶。一方で、物語詩は、今読み返すと、これが実に味わい深い。ユーモラスだったり不気味だったり、その短さゆえにかえって鮮やかに心に残る。『魔法使いの弟子』って、ゲーテ原作だったのか。ポール・デュカスの曲を聴くと心弾む。シューベルトの歌曲『魔王』、メンデルスゾーンのカンタータ『最初のワルプルギスの夜』、聴き入ってしまった。2022/05/06
ロア
15
魔法つかいの弟子/新・パリス/魔王/最初のワルプルギスの夜/新・メルジーネ/トゥーレの王/コリントの花嫁/メルヘン/宝ほり2021/06/20
クナコ
14
初読。いつかそのうちゲーテを読もうと思いつつ、どうにも格調高く感じて手が出せずにいた。そんなところに本書を発見。おもしろ絵本でおなじみのヨシタケシンスケ氏の挿絵に後押しされて購入。結果、やはり詩人の文学は私には難しい。幻想的な展開をあれよあれよとなんとか追ううちに、どの話もぷっつりと終わってしまった。短い「魔法使いの弟子」と「魔王」は親しみやすかった。各々有名な音楽が勝手に頭の中に響いてきた。ゲーテ由来だとは知らなんだ。当時のカリスマ的作家とは聞いていたが、さぞ同時代の芸術家の刺激になっていたのだろうな。2024/06/02