内容説明
3.11後、平熱の選詩集。
目次
草にすわる(八木重吉)
ひかる(工藤直子)
春のうた(草野心平)
さくらのはなびら(まど・みちお)
葬式(工藤直子)
声(吉原幸子)
ぺんぎんの子が生まれた(川崎洋)
薔薇二曲(北原白秋)
地球の用事(まど・みちお)
ゆずり葉(河井酔茗)〔ほか〕
著者等紹介
市河紀子[イチカワノリコ]
東京都生まれ。フリーランス編集者として主に児童書の編集に関わるほか、選詩や翻訳も手がける。1999年より6年半、朝日新聞夕刊にて詩を紹介する月刊コラムを担当
保手濱拓[ホテハマタク]
1980年兵庫県生まれ。美術家。自然や日常の中にあるささやかな発見を題材に絵画・木版画・写真などで作品づくりを行っている。2009年神戸ビエンナーレアーティストフォトコンペティション銅賞、2012年やまぐち新進アーティスト大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
151
自然豊かに澄みわたる詩集。選詩が好みです。…あたりまえでかけがえのない世界。花光り花散る。わたしのまちがいだった。こうして草に座ればそれがわかる。…新葉が育てば古葉は落ちる。早咲きの花、遅咲きの花。あさがおを見、死をおもい、はかなきことをおもい。…落葉が肩に落ちてくる。なぜか涙も落ちてくる。雲は雲のまま流れ、海は海のままに浮かぶ。それを見つめるひとつの目があればそれでいい。辛いこと哀しいことに出会うたび、弱い自分を励ます。…水を分かち合おう。この明るさのなかで、秋の美しさに耐えかね、自然と歩みを進めよう。2021/10/28
アキ
75
草にすわる「わたしのまちがいだった わたしの まちがいだった こうして 草にすわれば それがわかる」八木重吉。間違い「草に座れないから まわりはコンクリートしかないから 私は自分の間違いを知ることができない … 草に座れぬまま私は死ぬのだ 間違ったまま私は死ぬのだ 間違いを探しあぐねて」谷川俊太郎。問い・茨木のり子。道が一本ありました・江國香織。朝・谷川俊一郎。など、ひとといのちを感じる詩。2011年の翌年の2012年出版。市河紀子選詩集。2020/12/03
おくちゃん🌷柳緑花紅
44
めしいらずさんの感想を読んでの一冊。アンソロジー詩集。表題作の「草にすわる」たった3行の詩に心を鷲掴みにされた。鼻の奥が痛い。ああ!私の人生でこれは今読む作品としてずっと前から決まっていたようだ。八木重吉さんのこの詩に呼応するような谷川俊太郎さんの「間違い」まだまだ浅い自分を知る。他には、まど.みちおさん、井上ひさしさんの詩が今の私に響いた。2013/12/01
めしいらず
37
自分が築き上げた高い壁に、立ち向かい、足掻き、阻まれ、それでもまた立ち上がる。乗り越えることよりも、乗り越えようとした道のりこそが大切。人生の黄昏に草の上にすわり、それらを顧みたとき、ふと腑に落ちたなら、それでいい。心まで混凝土で塗り固められないように。2013/09/16
Maiラピ
27
アンソロジー。選詩がいいです、まどさんの、わたしのお気に入りの詩ばっかだ´ω`*タイトルにもなってる八木重吉の<草にすわる>と<素朴な琴>、ほんの数行の言葉に魅了される。日本語ってほんときれいだなって改めて思う。井上ひさしの<なのだソング>も素敵なのだw2012/07/14
-
- 和書
- 光導波路解析入門