内容説明
競争、無関心、上から目線。誰もが誰かを、そして自分を痛めつづけ、人間の尊厳も社会のシステムもボロボロになってしまったいま、派遣村村長が静かな情熱をもって子どもたちに書き下ろす。ごまかさずにあきらめずに、もう一度、希望をつくりだそう!特別対談・重松清×湯浅誠。
目次
第1章 どんとこい、自己責任論!―がんばり地獄とずるさ狩り、そんな社会に、みんなでサヨナラしよう。(努力しないのが悪いんじゃない?;甘やかすのは本人のためにならないんじゃないの?;死ぬ気になればなんでもできるんじゃないの?;自分だけラクして得してずるいんじゃないの? ほか)
第2章 ぼくらの「社会」をあきらめない。―黙るのも黙らせるのも、もうやめにしようじゃないか。きみの“溜め”が増えるように、みんなの“溜め”を増やすために。(きみがいま、あるいは将来そのさなかにいるのならば;変わるべきはぼくらの社会だ、ときみが思うならば;きみが、生きやすく暮らしやすい社会を目指すならば)
どんとこい対談 真摯に、そしてひとかけらの笑いを(重松清×湯浅誠)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
純子
25
息苦しさ、のなかでもがいている子どもたちが増えているような気がしていた。17歳の少年が祖父母を殺したのは貧困が底にあった。「みかづき」のなかで学びから遠ざかる子どもたちのサポートを思い立つ姿を見た。年越し派遣村のニュースは当時とても気になっていた。だがどれも、それはどこか他人事で、まさしく上から気にかけている状態だったように思う。ところが、この本に繰り返し出てくる「自己責任論」に、縛られもがいているのは、他でもない自分なのだと気づく。「貧困」は個人にも社会全体にも巣くっている。大人にも読んでほしい本だ。2017/11/15
はづき
25
今年の本は、今年のうちに。…が、ムリそうなので、読メ登録時からの積ん読本を消化。読み始めたらあっという間でした。まだ理論社時代のよりみちパンセシリーズ。 貧困問題がいまの関心事。子どもと女性。最近、メディアでも大きく取り上げられるようになったから、その点では時代をかんじる。でも自己責任論は、強まってる気がするのでフムフム。2015/12/28
fu
25
「よりみちパン!セ」シリーズ。「貧困」問題について大変わかりやすく説明されており、読者対象の中高生にはちょうど良い。社会的弱者の状況を知ることは大切。ただ問題解決が簡単ではないだけに、一概に言い切れるものではなく、もっと深い掘り下げも必要かと思う。2014/10/18
takakura
11
自分に対しても、人に対しても、いまの状態にあるのは「自己責任」と思って生きてきた。持ってるやつを必要以上に羨まないかわりに、持ってない人に対して思いを寄せることも多くなかった。100%orangeさんのイラストかわいい。2017/06/10
mayld
8
湯浅さんはすごい。彼のような活動家という言葉と行動力のスペシャリストから「このままじゃだめ!」という振動が伝わって、自分も小さい行動をしよう。今年こそビッグイシューのおじさんの仕事が見つかりますように。2011/01/09