内容説明
孫悟空は以前、人をあやめたことを理由に、三蔵法師から破門を言い渡されたことがある。そのときは、妖怪から三蔵を救い出し、弟子に復帰したが、またしても、あやまちを繰り返してしまう。盗賊団の男たちを、勢いあまって殺してしまったのだ。悟空は、ふたたび破門!?そして、二度と許されることはないのか…?世界最強のファンタジー・アドベンチャー「西遊記」第10弾。
著者等紹介
斉藤洋[サイトウヒロシ]
1952年東京に生まれる。1986年『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞を受賞。1988年『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞を受賞。1991年「路傍の石」幼少年文学賞を受賞
広瀬弦[ヒロセゲン]
1968年東京に生まれる。絵本、本の挿絵などを数多く手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちぐ
41
悟空が言ってた言葉。何かを思いついてやると決めたら、それでもう半分は終わったようなもの、、、。始めるまでが大変なわけで、始めてしまえば半分は出来上がったも同じだということ。最近読友さんが同じようなことを仰っていたっけなぁ…。そして迷いは、自分の分身である影を生み出してしまう。自分を乗っ取ろうとする影分身を作るのも、そいつを消すことができるのも自分の強い意志だということ。この巻では悟空の迷いから有り難い説教をいただけて気持ちも新に艱難辛苦を乗り越えていこうと気持ちが前向きになれました。2016/03/20
まるりー
14
深かった…と思う。悟空が強く願うことはひとつ。それを取り戻すことができてよかった。天竺はまだまだ遠いけど、無事お師匠様とたどり着くことができるだろう。…だって先に読んだ西遊後記に書いてあったもん♪2015/06/15
ちょび
7
面白かったー!児童書だけあって読みやすいし、大人も子供も楽しめる本とはこういう本なんだろうな。1冊完結になってるとはいえ天竺までの旅はまだまだ半分と言っているのでぜひ続きを読みたいです…。天竺に着いたその後の話が出版されているようなので次はそれを読もうと思います。2015/02/20
saraka
6
小学生の子供が読みました。子供が学校に行っている間に私が図書館で選んで借りてくるんですが、1巻を図書館で借りてきた時は、可愛い系が大好きな娘が「絵が好みじゃないから読まへん」と。その後、あまりに暇だったから読んでみたら、すっごく面白かったそうです。「お母さん、10巻で終わりじゃないんやけど」と言われ…。調べたら、天竺までの道のりはまだ半分だとか。11巻が待ち遠しいようです。実は何となくしか知らない西遊記。「猿とブタと河童を引き連れて旅するお話やろ?」に娘は「違う。イノブタと妖怪!」…妖怪ってアバウトやなぁ2016/02/10
ビシャカナ
4
これまでと全然違う雰囲気。すっかり大人になったと思った悟空がやたら暴れると思ったら、心の底に重いものが沈んでいた。正しく迷の巻。そして破門されるわ、悟空そっくりの偽悟空が現れるわと、なんだか観念的な雰囲気、児童文芸に留まらないものがある。今回は西遊記、ひいては仏教の核心に触れるようだった。2015/07/01