目次
1 “悪”と“笑い”(哲学と笑い―『笑い』に潜む“哲学の倫理”(一九九七年)
ベルクソン哲学における悪の問題(一九九〇年)
ベルクソニスムにおける悪の問題再論(一九九四年))
2 社会の哲学(ベルクソンの「閉じた社会」論(一九九三年)
ボランティアは何を体験するのか―緑塾におけるボランティアの場合(一九九八年))
3 自然と作為の“あいだ”(『道徳と宗教の二源泉』における「自然」概念について―エゴイスムと自己犠牲の諸相との関係において(一九九九年)
本質と偶然の“あいだ”(二〇〇三年)
「私たちの自然本性」の裏をかく技術としての政治(二〇〇四年))
4 ベルクソニスムとその彼方(ベルクソン哲学入門(二〇〇〇年)
ベルクソン化の極北―そこから見えてくるベルクソンと世界(遺稿、二〇〇五年))
感想・レビュー
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うえ
7
小林秀雄は「昭和二三年に「私の人生観」と題した講演をしている…ベルクソンによれば、近代の大国の歴史を調べてみると、そこには大と名のつく科学者、芸術家、軍人、そしてあらゆる分野の専門家なら、いくらでも見つけられるが、大政治家といえる人物は数えるほどしかいない…「大国を統治する術というものは、その準備となる訓練もなく、そのための効果的な教育もない唯一のもの」だからである…小林の理解では、大国を統治する術などというものは元来人間業に属するものではないのだから…「近代政治」は、いよいよ非人間的な仕事になってゆく」2019/04/02