内容説明
旅籠の娘かよは男衆金蔵(実は奇才の芝居絵師)と客で旅役者七之助の2人の男に魅せられて、心が揺れ動く。男と女の妖しい情念、怨念、妬心など人間模様をくりひろげる表題作ほか10編を収録。直木賞作家が初めて世に送る時代物短編小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
5〇5
4
~皆川博子都々逸レビュー~ 艶(つや)と禍(まが)との溶けあう先よ 灯(ひ)を背に受ければ影ぞ沁む2025/02/19
Ruto
3
図書館。皆川博子作品。皆川の初の時代小説短篇集。1篇1篇に彼女の世界が展開し、読み応えのある1冊である。2020/04/06
おはぎ
1
どうしようもない閉塞と陶酔の狭間で生きたり死んだりする短編集。はなから美しい幻想を持たないまま生きるものたちと、それ故の哀切と凄惨な美学が詰まっていた。表題作の出来があまりに見事。皆川さんの初期の作品は絶版が多くて残念です。2012/02/16