出版社内容情報
盧溝橋事件発生後、日中両軍の激戦が広がる中、軍事作戦と並行して和平の試みが何度も繰り返された。外交官だけでなく軍人や民間人ら和平工作に関わった人びとは、いかに中国側と接触し、なぜ挫折せざるを得なかったのか。数々の記録から日中和平の実現をめざした彼らの考えや行動を追跡し、泥沼化する軍事紛争の知られざる側面を明らかにする。
内容説明
盧溝橋事件後、軍事作戦と並行して和平の試みが繰り返された。外交官だけでなく軍人や民間人ら日中和平の実現をめざした人びとの考えや行動を数々の記録から追跡し、泥沼化する軍事紛争の知られざる側面を解明する。
目次
第1章 初期の工作
第2章 高宗武と日本
第3章 交錯
第4章 汪兆銘の挙事
第5章 汪兆銘政権樹立
第6章 対重慶直接工作
第7章 その後の和平工作
著者等紹介
戸部良一[トベリョウイチ]
1948年、宮城県に生まれる。1976年、京都大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)。防衛大学校教授、国際日本文化研究センター教授などを歴任。現在、防衛大学校名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぴー
14
日中戦争初期の工作については、以前他の本で読んだことがあったが、その後の工作については、余り知らなかったので勉強になった。外交官、軍人、ジャーナリストなどが多く関わっていたのは意外であった。松岡が三国同盟より重慶工作に力を入れていたのは初耳で面白かった。結局は日本人のリーダーシップ(近衛文麿ら)が…という結論であった。しかし、当時の状況で日本側に和平ができる人物、雰囲気があったのだろうか?2024/04/30
wuhujiang
2
盧溝橋事件~日米開戦に至るまでの日中和平工作について書かれた本。戦前~戦中の日中戦争についてはかなり研究の蓄積があるが、和平工作全般を範囲とするのは珍しい。はっきりいうとこの分野に興味がないと読むのは大変だと思う。ただ、軍・官・民どこにも和平について尽力した人士がいたことは伝わるはずだ。本書のむすびにもある通り、和平について方々に前向きな空気はあっても、結局日中間の基礎的な条件すら折り合わずに挫折したことも注目される。2024/03/10
鈴木貴博
1
盧溝橋事件から南部仏印進駐頃までの日中和平工作について2024/04/24
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