出版社内容情報
近世には遊女・芸者・熊野比丘尼、隠売女・飯盛女・夜鷹など、さまざまに「性」を商品化された女性たちがいた。その実態を生活やこころの問題、梅毒や性愛のあり方も視野に入れて描く。性の売り手・買い手が都市下層民まで拡大し、売買春を成り立たせてきた多様な歴史的背景を女性史の立場から探る。現代の「売春」論議にも一石を投じた名著復刊。
内容説明
遊女・芸者・熊野比丘尼・飯盛女・夜鷹など、「性」を商品化された女性たちの実態を、梅毒や性愛問題も視野に入れて描く。売買春の多様な歴史的背景を女性史の立場から探り、現代の「売春」論議にも一石を投じた名著。
目次
第1章 売春の歴史をめぐって
第2章 「売女」
第3章 近世の熊野比丘尼―勧進と売色
第4章 芸者の世界
第5章 近世の梅毒観
第6章 婚外の性愛―女性史から見た『好色五人女』
終章 近世売買春の構造
著者等紹介
曽根ひろみ[ソネヒロミ]
1949年静岡県に生まれる。現在、神戸大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わ!
1
この手の情報は、あまり資料がない。いや…古本で「カストリ雑誌」と呼ばれる様な、興味本位だけで、何の根拠もなく書かれた様な本ならあるのだが、ましてや、その「歴史」に関する話とか、ましてや女性研究者の論文となると、本当に珍しい。本屋で見つけて、思わず即買いしてしまった。タイトル通り近世の売春史から書かれているが、性を売る様な行為は、貨幣が世の隅々に行き渡り、貨幣経済を誰でもが利用できる環境下でなければ、物々交換を手段とした流通社会では成立しない。だから近世以降がやっとこさで、その前となると難しいかもしれない。2023/10/25
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