出版社内容情報
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内容説明
家康の生涯を「本拠」東海地域を中心に描く。三河の統一から武田氏との攻防、小牧・長久手、関ヶ原、大坂の陣に至る道程、家臣団と諸大名の動向、政治戦略を詳細に叙述。相次ぐ新説も丁寧に検証した、家康論の決定版。
目次
1 三河支配の成立(三河松平氏と竹千代;桶狭間の合戦と元康の自立 ほか)
2 遠江侵攻と武田氏(信玄・家康の今川領侵攻;今川氏の滅亡の駿河・遠江 ほか)
3 5ヵ国支配の展開(天正年間の領国支配;秀吉と小牧・長久手の合戦 ほか)
4 徳川公儀への過程(豊臣政権下の家康;関ヶ原の合戦 ほか)
5 大御所政治の展開(大御所家康の駿府政権;農村政策の対外関係 ほか)
著者等紹介
本多隆成[ホンダタカシゲ]
1942年大阪市に生まれる。1967年大阪大学文学部史学科卒業。同大学院博士課程を経て1973年静岡大学人文学部講師。1989年大阪大学文学博士学位取得。2008年定年退職・静岡大学名誉教授。現在、放送大学静岡学習センター所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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bapaksejahtera
10
柴裕之氏の徳川家康論で、近年家康研究が大いに進み昔の常識は通用しないことを知った。本書もその点に期待した。家康の足取りを6期に分け夫々の劃期における論点について異説を一通り紹介しつつ、著書の理解を語る形式で一貫している。歴史の素人としては、桶狭間の戦は乱取りに紛れて攻め入ったとの説、長篠の戦の模様、天下総無事(私戦の禁止)令の展開、検地と年貢合意の仕組み、駿府における家康など興味を引いた。資料は分かりやすく人物の姿絵も興味をつなぐ。形式といい内容といい理解しやすい形となっている。重厚ながら読みやすい良書。2021/06/15
つわぶき
3
徳川家康の生涯について、研究成果を踏まえつつ記述した本。東海地域を中心として権力を確立する過程及び豊臣公儀から徳川公儀への移行過程を重点的に述べられている。今川氏や武田氏といった大大名相手に渡り合いつつ、着実に勢力を伸長した家康の力量は織田信長にも劣らないものであり、その力量こそが豊臣公儀内における格別の地位(石高に留まらず、位階や秀吉からの書状の様式も他の大名と異なる。)を生み、秀吉死後の徳川公儀への移行に至る原動力となった様に感じられた。2023/01/07
やま
3
良い意味で地味な本。家康の生涯について最新の研究成果をふまえ非常に手堅く検証を進めた良書。2017/08/05
S‐tora
2
徳川家康に関する一次資料を丁寧に読み解いていく本。 諸説ある事柄に関しても一次資料を基にすると何が言えるかということを解説してくれているので、面白かった。2019/06/08
うしうし
2
家康に関する近年の研究成果を盛り込んで書かれた非常に堅実な概説。1年ほど前に読み始めたが、読み始め当初は本能寺の変以前の家康の軍事動向や地域支配の概略がよく理解できていなかったため、中途で挫折。今回、改めて読了することができたが、農村支配(検地など)等の項目は斜め読みしてしまったところもある。大久保忠隣の改易など、幕府内部での権力闘争とキリシタン禁圧が関連性があったことや家康最晩年の隠居所問題など、本書から新たに学んだ。また、笠谷和比古氏の「二重公儀体制論」に対する批判(p271~273)も参考になった。2014/11/22
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