内容説明
親鸞によって開かれた真宗は反民俗性が強いと言われてきた宗派だが、近年、仏教民俗学の分野から、その基層に民俗信仰が存在するということが指摘されている。本書は、真宗における位牌や墓制、オソーブツ習俗と仏壇、門徒村の講組織などを取り上げ、フィールド調査や絵画資料などを通して、真宗と民俗との関係を新たな視点から解明した注目の書。
目次
序章 真宗と民俗―問題点と課題
第1章 真宗と祖先崇拝(真宗の民俗性と反民俗性;「無墓制」と真宗の墓制;真宗門徒の葬送儀礼;オソーブツと真宗仏壇の成立)
第2章 門徒の村と民俗(能郷の民俗と真宗門徒;輪中の村と真宗門徒)
第3章 近世尾張の真宗門徒と講(名古屋御坊の再建と門徒;尾張門徒と講)