岩波新書<br> 台湾―人間・歴史・心性

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岩波新書
台湾―人間・歴史・心性

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  • サイズ 新書判/ページ数 228,/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784004300410
  • NDC分類 222.4

出版社内容情報

台湾では88年初頭に蒋経国総統が死去し,本省出身の李登輝新総統が登場した.また,戒厳令の解除,大陸訪問の規制緩和,野党・民進党の躍進,国民党指導部の世代交代など,大きな転機を迎えている.本書は台湾の歴史の展開を追うことによって現在の変動の底流を見極め,複雑な状況下におかれてきた人々の心を描き,台湾のゆくえを展望する.

内容説明

台湾では88年初頭に蒋経国総統が死去し、本省出身の李登輝新総統が登場した。また、戒厳令の解除、大陸訪問の規制緩和、野党・民進党の躍進、国民党指導部の世代交代など、大きな転機を迎えている。本書は台湾の歴史の展開を追うことによって現在の変動の底流を見極め、複雑な状況下におかれてきた人々の心を描き、台湾の行方を展望する。

目次

1 台湾とは何か(台湾の先住少数民族;本省人と外省人)
2 台湾史の原景(地名の変遷が語るもの;明朝期における大陸と台湾;オランダの台湾支配;漢族政権の登場;清朝前期の台湾;清朝後期の台湾新政)
3 日本の植民地支配(台湾出兵と日清戦争;日本軍の台湾進駐と抗日の複雑な諸相;後藤新平の台湾統治策;植民地型開発と台湾住民の抵抗)
4 光復の明と暗、2・28事件の悲劇(光復と社会の諸相;国府軍の台湾到着;2・28事件の悲劇と傷痕)
5 国府中央の台湾移転と国民党支配の確立(台湾での国共抗争;「三七五減租」と赤狩り;国府へのアメリカの援助;一党専制の確立)
6 「経済奇跡」への道とその代価(経済奇跡の実像と虚像;元日本軍人の国府への協力;経済発展の台湾的特殊性)
7 社会は激変のさなかにあって(60年代の反体制運動;台湾独立運動の虚と実;70―80年代の反体制運動)
8 ストロングマンの死と新時代の幕開け(蒋経国の死と李登輝の登場;党主席代行の推挙をめぐる攻防と両李体制;李新総統の課題と政治の現実;台湾はどこへ行く?)
台湾史年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テキィ

5
台湾・本省人の方が書いた台湾の歴史はやはり踏み込み方が違うなぁと思ったが、確認すると以前読んだ『台湾―四百年の歴史と展望』http://book.akahoshitakuya.com/b/4121011449の著者伊藤潔さんも日本に帰化した台湾出身の中国人だった。同じ国の人間でも、出身や政治信条によって表現はずいぶん変わるんだなぁと改めて実感する。戴氏の方が伊藤氏より中国という枠を重視し、外省人に対しても理解を示している印象。その分日本統治下の実情についての表現も具体的。本省人・外省人という区切りに注目し2012/07/22

とん

2
岩波新書の『台湾』. 中公新書で既に押さえていたので流し読み. 故宮博物院の宝物はもともと中国本土のものらしい. 台湾の中華料理は1945年以降に本土から来たものらしく, ではそれまでの台湾の料理はなんだったのだろうと思った. 後半は政治経済で, アメリカとの関係や, 中国の静観など1988年までのことが書いてある. ちくま新書の方も読みたい.2017/09/12

にゃん吉

1
蔣経国死亡、李登輝政権誕生の頃に出版された新書。古代から台湾史を概説して、国民党一党独裁から経済の発展、李登輝政権の誕生辺りまでが叙述されています。新書らしく、コンパクトにまとめられていて、読みやすい一冊でした。2022/03/06

のとや書架

1
台湾関係で読みやすい文献と言えば、伊藤潔氏の『台湾』(1993)がある。本書は、その数年前、李登輝が登場してすぐの頃に記されたもの。戴氏、伊藤氏共に台湾出身ながら、表現は随分異なる。外省人の位置づけ、台湾独立運動への評価、蒋介石・蒋経国親子への評価、中華人民共和国。 これによると台湾は、複雑なアイデンティティーの相剋によって織りなされた、近代的な「ネイション」であると言えるだろう。台湾の政治史に関しては、若林正丈(2008)が詳しく、蒋親子や外省人・本省人などをめぐる争いも補完できるだろう。2012/09/24

J_L_B_459

1
あまりにプレイヤーが多くて複雑怪奇な台湾問題。今世紀中に解決するのかな。2011/06/24

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