感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hyena_no_papa
3
36年ぶりに再読。江戸時代から戦後までの神武天皇研究の流れを詳細に解説する。巻末に掲げられる数百の参考文献を見れば分かる通り、数多の学者たちが心血を注いで神武天皇について解明を進めてきたが、一言で言って謎は謎のままである。最初に幕末の神武陵修陵について解説。中世以降伝承の途切れていた陵の位置比定も希薄な根拠で治定される。しかし、神武伝説の謎解明に比べばさほど難儀とも言えない。政治的にでも決定すれば済むことであるから。後半、所謂反映説による諸説を取り上げるが、その限界と無力さをまざまざと見せ付けられる。2021/09/17