出版社内容情報
現代とは異なる身分社会で人びとはどう生きたのか。領主と百姓の相克、武士と町人の交流、モノやカネの動き。芸を身につけ、債務に苦しみながら、様々な集団やつながりに依拠して懸命に生きた人びとの姿を描き出す。
内容説明
現代とは異なる身分社会で人びとはどう生きたのか。領主と百姓の相克、武士と町人の交流、モノやカネの動き。芸を身につけ、債務に苦しみながら、様々な集団やつながりに依拠して懸命に生きた人びとの姿を描き出す。
目次
第1章 武士・奉公人・浪人
第2章 百姓と商人の間
第3章 房総の山稼ぎと江戸
第4章 かわたと非人
第5章 高利貸しか融通か
第6章 大坂・堀江新地の茶屋と茶立女
第7章 芸能者
著者等紹介
多和田雅保[タワダマサヤス]
1971年岐阜県に生まれる。現在、横浜国立大学教育学部教授、博士(文学)
牧原成征[マキハラシゲユキ]
1972年愛知県に生まれる。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アメヲトコ
5
2023年10月刊。本巻は身分社会の中での人々の生き様が取り上げられます。公的な建前とトラブル回避のための方便の絶妙な使い分けが近世らしいところですが、遊所におけるそれは搾取の隠蔽そのものでもあり、暗然とするところも。2024/09/09
MUNEKAZ
0
よく「〇〇ムラ」なんて閉鎖的な風土を言ったりするけど、その煮凝りのようなのが、近世の身分社会。御上の詮議を防ぎ、身分内の建前を維持するためのムーブが、現代から見るといかに酷いかをまざまざと伝える吉元論文が印象的。ここでは過酷な境遇に耐えかねた遊女が起こした事件を、本人の「病気」を理由に矮小化しようとする茶屋町の動きを紹介している。各身分が己の分を守り、無用のトラブルを回避するための建前を維持しながらも、互いに寄りかかっていた「泰平の世」の生き方が万華鏡のように味わえる論集。2025/09/13
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