出版社内容情報
鎌倉に残った頼朝と上洛した義仲。ともに反平家の兵を挙げた両雄は異なる路線を進み、対決に至る。彼らは何を重視していたのか。京都との関係を視野に入れ、彼らをとりまく諸勢力の動向をその父親世代から描き出す。
内容説明
鎌倉に残った頼朝と上洛した義仲。ともに反平家の兵を挙げた両雄は異なる路線を進み、対決に至る。彼らは何を重視していたのか。京都との関係を視野に入れ、彼らをとりまく諸勢力の動向をその父親世代から描き出す。
目次
プロローグ 反平家の兵を挙げた二人の源氏
1 義朝と義賢
2 源義朝と保元・平治の乱
3 流人源頼朝と東国の反乱
4 木曾義仲の上洛
エピローグ 義仲討死後の頼朝
著者等紹介
長村祥知[ナガムラヨシトモ]
1982年、京都府に生まれる。2011年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了、博士(人間・環境学)。現在、富山大学学術研究部人文科学系講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フランソワーズ
9
頼朝と義仲の対立軸というよりも、院政から平家政権、平家の都落ち、義仲滅亡までの、世の流れを追いながら、頼朝・義仲が”時代に果たした役割”のようなものを論述した通史。義仲贔屓としては、さまざまな点で義仲の”間の悪さ”を痛感しつつ、それでも芥川龍之介が言ったような「男らしき生涯」がそこはかとなく感じられたのがせめてもの慰めでした (もし頼朝と対面することが叶ったとしたら、二人の”すれ違い”はなかったのではないかと想像したり...)。2024/05/05
MUNEKAZ
9
木曾義仲のことを期待して読むと、ちょっとがっかりするかも。著者の重点は中央の摂関や院、源平武士団と東国武士の繋がりに置かれているようで、中央とのコネが薄い義仲は、むしろ蚊帳の外のような印象である。ただ義仲の兄がかつて八条院に仕えており、この繋がりが上洛後の義仲と京武者たちとの結節点になったというのは興味深かった。でも頼朝は短期間とはいえ自らが院に直接仕えていたわけで、そもそも挙兵する前からコネで負けていたんだよなぁとも。2024/04/06
青雲空
5
平氏・源氏・天皇家・藤原氏の系図を都度確かめながらやっと読み終わった。それでもまだ頭には入っていない。 複雑な時代のようやく入口にたったばかりだが、結局タイトル二人が競っていたことはわかったけど、それ以上のライバル関係はよくわからなかった。 2024/05/19
うしうし
4
頼朝や義仲の人物像を対立軸に沿って記述するのではなく、源頼信・頼儀の時代に遡って、時系列的に歴史の流れが淡々と記述されている印象。木曽義仲を「王朝の制度に無知な反権威的人物」とするのではなく、「王朝権威や畿内近国支配を重視しながらも、滅亡に至った権力構造を解明せねばならない。」(p145)というスタンスが提示され、東大寺薬師院文書に見える大和の武士に対する古文書の重要性を指摘されているのは興味深かった。 2024/05/06
サタイン
3
東国の歴史理解を深めようと手に取ってみた。 正直言えばちょっと内容が薄い割に専門用語ばかりで読みにくいな…という感想が一番強い。さくっとは読めるぐらいの文量ではあったけど2024/10/18