出版社内容情報
16世紀後半、織田信長は室町幕府に代わる政権を打ち立て、全国を統合へ向かわせた。将軍義昭の追放、朝廷への対応、大名との衝突と和睦などの政局に加え、都市や流通、宗教など社会の諸相から織田政権の実像に迫る。
内容説明
十六世紀後半、織田信長は室町幕府に代わる政権を打ち立て、全国を統合へ向かわせた。将軍義昭の追放、朝廷への対応、大名との衝突と和睦などの政局に加え、都市や流通、宗教など社会の諸相から織田政権の実像に迫る。
目次
織田信長の時代―プロローグ
1 室町幕府の再興
2 織田政権の成立
3 信長の覇権確立への道
4 戦国大名と織田政権
5 織田政権期の社会と文化
6 織田政権の構造と限界
信長が残したもの―エピローグ
著者等紹介
平井上総[ヒライカズサ]
1980年、北海道に生まれる。2008年、北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。現在、藤女子大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chang_ume
12
研究動向の理解に。主に金子拓説に依拠しつつも、「天下静謐」はあくまで名目で、信長自身の領国拡大意図を重視する立場です(となると、織田領国の急速・広範な拡大の要因を語ってほしい)。また足利義昭との関係を「二重政権」と評価ですが、ならば権限分担など政権の構造を知りたいとも。著者の論考は、「家臣団の構造」に関して、織田政権の正月儀礼実施が意外なほどに少ない傾向から、信長の専制体質と並んで、君臣間関係の希薄さを指摘するところ(これが本能寺の変の遠因とも評価)。全体的に、信長のやりっぱなしな性向がうかがえるような。2021/01/11
MUNEKAZ
11
「織田政権」についての良いまとめ。このシリーズ全体に言えることだが、斬新な視点や新規なトピックは無いが、最新研究を総合的に知れるのがうれしい。本書も金子拓氏らによる「伝統も重視する現実主義の信長像」をベースにしながら、政権の実像に迫っている。印象に残ったのは、織田政権における重臣を交えての正月儀礼の減少化。信長と家臣たちの繋がりや家臣団の結束の脆さを生み、多発する裏切りを生んだのではとする見方は面白い。2020/10/15
フランソワーズ
8
「革命児か平凡な大名か」で揺れる昨今の信長像。諸説を紹介しながら、織田政権を概説した通史。すでに既知のことも多くあったので目新しさはないが、それでも未だにはびこる”通説”しか知らない方には、良い本だと思う。2024/12/22
onepei
3
私には信長が家臣をしょっちゅう集めていたイメージがあったが、ドラマとかによるものだったのだろう2020/12/20