出版社内容情報
★好評増刷
内容説明
軍事革命を遂げた新政府軍の武力倒幕は戦争をどう変えたのか。鳥羽・伏見の戦いから箱館戦争までを辿り、戦争遂行のために動員されたヒト・モノ・カネの実態に迫る。戊辰戦争を軍事史的な観点から解明した初めての書。
目次
戊辰戦争をどうとらえるか―プロローグ
1 開戦前夜の情勢
2 鳥羽・伏見戦争
3 東征と関東の争乱
4 東北・越後戦争
5 箱館戦争
戊辰戦争のもたらしたもの―エピローグ
著者等紹介
保谷徹[ホウヤトオル]
1956年東京都生まれ。1987年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、東京大学史料編纂所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
8
戊辰戦争を軍事史から考察した一冊。著者は戦争を通した画期としてライフル銃を採用した洋式軍制の普及を上げており、火縄銃や槍・弓、騎馬隊といった近世以来の軍制が過去のものになったとしている。個人的には蒸気船の使用によって兵員輸送の機動力が上昇したのも大きいように思われた。東北戦争では制海権を握った新政府側の上陸作戦が、勝敗のカギを握っている。またそれと同時に新政府側・旧幕府側問わず「首取り」や村落への陣夫の徴発など、中世以来の「戦場」が色濃く存在しているのも印象的であった。2017/12/26
河童
6
後装銃をはじめとする銃器の採用と軍制改革でそれまでの刀による戦(いくさ)からがらりと様相が変わった感想をいだきました。背後にいたはずの「死の商人」たちの暗躍ぶりには深入りした記述はありませんでしたが、お金の出どころについては「御用金」によるところが多かったようです。戦争にはお金がかかるんです。2018/10/16
aki
3
東山道軍の会計記録に目が留まった。4カ月の軍費は20万両であった。 兵の食糧費、同給与、諸藩への軍費(11万両)などである。資金集めに苦慮している。 東征軍の組織。鳥羽伏見の戦い以降は官軍の組織もすっかり近代化している。 官軍はその後になびいた旧幕府諸藩に兵の供出をさせているが、もっぱら銃隊・砲隊のみで槍・弓隊などは不要のお触れを出し、加えて兵隊の年齢制限すら行っている。使い物にならないことがわかっていた。従者は召し上げ官の兵隊に。服装は筒袖、ダンブクロに統一。 2019/04/14
風見草
3
「戦争の社会史」という視点から、戦況や政治情勢の変遷を述べるだけでなく、人夫や物資の現地調達の生々しい実態や列強諸国による戦争の監視など、戦争を巡る社会も描いているのが特徴。軍事史としては、戊辰戦争は前近代の兵隊を一気にライフル銃化を推し進めた戦争だったといえる。2013/09/22
takao
1
ふむ2025/04/03