集英社新書<br> 「慵斎叢話」15世紀朝鮮奇譚の世界

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集英社新書
「慵斎叢話」15世紀朝鮮奇譚の世界

  • 著者名:野崎充彦【著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 集英社(2020/07発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087211269

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内容説明

<近くて遠い国>。韓国がそう言われるのは<日本に似て非なる>国だからであろう。であればこそ親しみやすい反面、食い違いが生じれば忽ち嫌韓感情を生んでしまう。その韓国とは、2002年のサッカーワールドカップ共催を契機に、俄かに「韓流ブーム」が沸き起こり、歴史ドラマが数多く紹介され好評を博した。それらの多くは秀作・力作ぞろいで、今でも人気は高いが、作品を通じて朝鮮時代や韓国文化が理解できるかと言われれば、「水戸黄門のドラマを見て江戸時代や日本のことを知ろうとする」のと変わりない。その国のことを理解するには、このようなドラマではなく、古典を通して逍遥するのも有効かもしれない。というのも、韓国文化の母体は朝鮮時代にあるからだ。その朝鮮時代に朱子学(儒教)を通じて国家建設を目指した「士大夫」と呼ばれる科挙合格官僚がいる。特に朝鮮前期に活躍した成俔の随筆「慵斎叢話」は当時の世相を知る最上の資料でもある。この「慵斎叢話」は宮中世界、歴史・文学、自然現象から巷の奇譚・笑話に至るまで多様な話があるが、本書では極めて人間臭い話題を中心に、男女のスキャンダル、破戒僧、呪詛・占い、宮廷秘話など、韓国の厳しい儒教社会に対する先入観を打ち破る奇異譚を紹介する。

目次

はじめに 儒者の随筆
第一章 僧のいる風景
第二章 パンスーー盲僧の占卜・祈祷・呪詛
第三章 飲食男女、人の大欲存す
第四章 愉快な士大夫たち
第五章 成俔の家門と兄弟
第六章 成俔の時代と『慵斎叢話』の視野と語りの世界
おわりに その後の成俔
あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

4
朝鮮王朝前期の士大夫の随筆に描かれた小話を通じて当時の社会や世相を探っていく。我が国の『鸚鵡郎中記』『甲子夜話』に相当する書と言えるかもしれない。著者は韓流時代劇からは朝鮮時代を正確に理解できないというが、その実本書は韓流時代劇や映画の良きガイドという側面もある。林羅山と朝鮮通信使、朝鮮の文献との関わりに関する話が面白い。2020/06/24

見もの・読みもの日記

3
随筆『慵斎叢話』から、破戒僧、妖婦などなど人間臭い話題を選んで紹介するもの。作者・成俔の怪異譚好きが林羅山と共通するという指摘が面白い。清の紀昀先生もそうだなあ。「朝鮮王朝実録」が意外と下世話な記事を載せていることを初めて知った。2020/07/11

もち

1
まったく朝鮮半島の歴史や文化を知らずに読んだので、新鮮だった。いろいろ勉強していきたい。2020/10/04

眉毛ごもら

1
朝鮮の古典文学である慵斎叢話の紹介だがそれ以外の作品や史書から逸話を引っ張ってきたり、当時の政治情勢や作者の成俔の逸話や家系についてなどと、だいたい朝鮮初期の情勢についての本と思って良いかと。元ネタ以外のネタが多いのと元ネタ読んでないのでどこまでが慵斎叢話の記載かそれ以外の記載かわかんなかったな。と言う所はあるが士大夫の生活やら政争やらの知るのによいと思った。粛清多いなとは思ったが。まあ、クーデターで政権とったあとは粛清は基本だよね★作者はそこらへん生き抜いるのですごい。リアル死体に鞭でやられたようだが。2020/07/19

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