出版社内容情報
びっしりつまった年中行事、出世を阻む厚い壁、ひっきりなしの問い合わせ…。平安貴族の日常は想像以上に過酷だった。彼らの人生サイクル、仕事、昇進にスポットをあて、みやびなイメージとは程遠い、貴族社会のリアルな姿を解明する。古記録などの豊富なエピソードをもとに官位のしくみや昇進ルートを平易に解説。王朝文学を学ぶ人にもおすすめ。
内容説明
みやびな印象の平安貴族だが、古記録からは任官や昇進に奔走し、連日政務に疲弊する過酷な日々が見えてくる。公卿と下級官人の人生サイクルの違いにも着目し、王朝文学には描かれない貴族社会のシビアな一面に迫る。
目次
平安京で暮らす人びと―プロローグ(平安京に暮らす人びと;四つの身分;平安貴族たちはどれほどいたのか?;平安貴族たちも仕事をする;年中行事が政治)
平安貴族たちは、どういう人生サイクルを送ったのか?(公卿;諸大夫;侍ら)
平安貴族たちの仕事とは、どういうものか?(政務(申文)
正月は忙しい)
平安貴族たちの昇進(除目に向けて;本音と建て前;でも昇進しない;芸は身を助けるのか?)
平安貴族たちの退場―エピローグ(後鳥羽院政;中世の公家社会へ)
著者等紹介
井上幸治[イノウエコウジ]
1971年、京都府京都市に生まれる。2000年、立命館大学大学院文学研究科史学専攻博士課程後期課程修了、博士(文学)。現在、佛教大学非常勤講師、京都市歴史資料館館員(会計年度任用職員)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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