出版社内容情報
江戸城本丸の大奥にあって、歴代の将軍を支えた女性たち。家康から綱吉に至る成立期の妻妾や女親族、女中たちの日々の暮らしやその役目を探り、全貌を解明する。京都の足利将軍家や朝廷・公家社会とのつながり、給与・勤続年数や奉公後の処遇にも着目しつつ、キャリアの様相を描き、女たちの群像から江戸時代の女性の生きざまを歴史に刻んでいく。
内容説明
江戸城本丸の大奥で、歴代将軍を支えた女性たち。家康から綱吉に至る妻妾や女親族、女中たちの日々の暮らし、その役目を探り全貌を解明する。キャリアの様相から、江戸時代の女性の生きざまを歴史のなかに位置づける。
目次
女たちの群像を描く―プロローグ
徳川家康をめぐる女たち
徳川秀忠をめぐる女たち
徳川家光をめぐる女たち
徳川家綱をめぐる女たち
もつれあう糸―エピローグ
著者等紹介
福田千鶴[フクダチズル]
1961年、福岡県に生まれる。1993年、九州大学大学院文学研究科博士課程後期中途退学。1997年、九州大学博士(文学)取得。国文学研究資料館・史料館助手、東京都立大学助教授、九州産業大学教授等を経て、九州大学基幹教育院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スプリント
10
将軍を継承させるための組織・体制としての大奥に関心があったので本書はとても参考になった。2022/09/22
アメヲトコ
7
22年6月刊。昨年同じ歴史文化ライブラリーから出た『女と男の大奥』の姉妹編的位置づけで、前著がシステム的な分析なのに対し、本書では個々の女性に光が当たります。「大奥」という言葉からイメージされるドロドロ対立劇とは異なり、等身大で勤めに邁進する女性達の実像がわかり、大いに認識を改めました。2022/06/03
伊達者
2
著者の意気込みが分かる本。とかく興味半分に見られがちな多くを人物の観点から整理している。専門性も高いので読み進むのが大変だが,資料に基づくエピソードも豊富である。これまでの著作の自身の誤りを潔くただしているのも気持ちが良い。還暦を迎えてこれからは秀頼研究に軸足を置くという。2023/02/15
Go Extreme
2
女たちの群像を描く 徳川家康をめぐる女たち 後家を愛でる家康 徳川三家(尾張・紀伊・水戸)の母 駿府城大奥の解体 徳川秀忠をめぐる女たち 御台所浅井江と大奥 御台所の役割と権限 御台所不在の大奥 徳川家光をめぐる女たち 長女千代と長男家綱の誕生 英勝院と春日の局が去ったあとの大奥 次男綱重と四男綱吉の誕生 家光没後の大奥 徳川家綱をめぐる女たち 家綱付女中の形成 寛文・延宝期の大奥 生母の増山楽とその親族 家綱から綱吉へ もつれあう糸2022/07/02
つきもと
1
めちゃめちゃ面白かったです。大奥の成立過程や組織の変遷を史実からまとめていて、同時代の女性のキャリアアップの過程などとても興味深いです。家の隆盛や復興の鍵は女系が握っていたのだなと思わせる面も。2022/08/17