出版社内容情報
今から約400年前、ヨーロッパに渡りスペイン国王やローマ教皇と謁見した慶長遣欧使節。伊達政宗はなぜ支倉六右衛門ら一行を派遣したのか。そして彼らはどのように旅を続けて外交交渉を進め、いかなる末路を辿ったのか。国内外に散らばる史料から、政宗・幕府・スペイン・使節などの思惑が錯綜した政治的駆け引きと政宗の狙いに迫る注目の書。
内容説明
江戸時代初期、スペイン国王やローマ教皇と謁見した慶長遣欧使節。伊達政宗はなぜ一行を派遣したのか。国内外に散らばる史料から、政宗・幕府・スペイン・使節などの思惑が錯綜した政治的駆け引きと政宗の狙いに迫る。
目次
慶長遣欧使節四〇〇年―プロローグ
伊達政宗の南蛮貿易構想(世界を見据えて;使節出立前夜;後藤寿庵の役割 ほか)
いざ西欧へ!(使節の出帆;メキシコの地を踏んで;マドリードへの道のり ほか)
執拗な外交交渉の果てに(スペイン政府との再交渉;使命と望郷のはざまで;謎に満ちた帰国後の大使支倉 ほか)
伊達政宗が夢見たもの―エピローグ
著者等紹介
佐々木徹[ササキトオル]
1974年、青森県に生まれる。1996年、東北学院大学文学部史学科卒業。2004年、東北大学大学院国際文化研究科博士課程後期修了。現在、仙台市博物館学芸員、博士(国際文化)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
14
伊達政宗の派遣した慶長遣欧使節についてまとめた一冊。幕府転覆、キリスト教王国といったロマン溢れる言説を排し、史料に基づいて遣欧使節の実像に迫っている。大使・支倉常長は有名だが、同じく大使に任命された者にルイス・ソテロがおり、彼の強引な交渉姿勢が、スペイン側の不興を買っていたことなど知らないことも多く勉強になった。また政宗が、なによりも自領を富ませることを目的としていたこと(ルソンとは貿易を数回実現している)、中央との関係では現実主義者に徹したことなど、戦国時代生き残りの強かさがチラ見えするのも面白い。2021/09/06
アメヲトコ
7
21年9月刊。支倉常長で有名な慶長遣欧使節の実像を検討した一冊。伊達政宗の天下獲りへの野望として解されることの多い使節派遣ですが、本書ではそうした分かりやすい陰謀論には否定的で、国内外の情勢を睨んだ政宗の絶妙なバランス感覚が描かれます。それにしても色々と前のめりなルイス・ソテロの行動には読んでいてハラハラさせられます。2022/04/27
Go Extreme
1
慶長遣欧使節四〇〇年 伊達政宗の南蛮貿易構想:世界を見据えて 使節出立前夜 後藤寿庵の役割 大使支倉のキャリア 諸説ある使節派遣の目的 いざ西欧へ!:使節の出帆 メキシコの地を踏んで マドリードへの道のり 王都を包む歓喜と疑念 ローマの歓声と囁き 執拗な外交交渉の果てに:スペイン政府との再交渉 使命と望郷のはざまで 謎に満ちた帰国後の大使支倉 使節の帰国と仙台藩 伊達政宗が夢見たもの2021/10/09