出版社内容情報
日本的な家制度が出現した中世。親子・兄弟が別居する家族システムで、人々はどのように暮らし、生き抜いたのか。鎌倉末期から室町・戦国期にかけての農業の変革、民衆の定住化、人口推移など、様々な角度から大変動の背景を読み解く。また、有力農民=名主が立場維持のためにとった戦略や財産相続の問題にも言及し、民衆の生活世界の変化に迫る。
内容説明
日本的な家制度が出現した中世。親子・兄弟が別居する家族システムで、人々はいかに暮らし生き抜いたか。農業変革など様々な角度から大変動の背景を探る。名主の家族戦略や財産相続にも言及し、民衆生活の変化に迫る。
目次
変貌する中世の家族と社会―プロローグ
こうして中世がはじまった―中世的世界の形成
放浪から定住へ―鎌倉人の生活世界
中世名主の家族戦略―中世前期の民衆家族
中世は核家族だった―室町人の生活世界
核家族と二世帯同居家族―中世後期の民衆家族
古代から中世へ、中世から近世へ―エピローグ
著者等紹介
西谷正浩[ニシタニマサヒロ]
1962年、愛媛県に生まれる。1985年、九州大学文学部史学科卒業。1992年、九州大学大学院文学研究科国史学専攻博士課程(後期)単位取得満期退学。現在、福岡大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アメヲトコ
9
21年6月刊。日本中世の農村部における家族の変容を、農業生産と社会構造との関係から論じた一冊です。近世の村社会と直系制家族とはまるで別世界で、目を啓かれました。2021/12/21
穀雨
7
家族という側面から、中世の農村社会の移り変わりを考察した一冊。古代と比較しても関連史料には恵まれないようだが、農業生産力の向上もしくは停滞と家族のあり方が密接に連動しているのが興味深かった。「古代末期の農業労働者は、現代の基準からすれば勤勉とはいえない人々だった」といったくだりは、この直前に読んだ『古代日本の官僚』の内容とあわせて、古代の人々が現代人といかにかけ離れたタイプであったかを改めて思い知らされるものだった。2025/02/25
Hiroki Nishizumi
5
核家族は近代以降のものと勝手に思い込んでいたが、歴史をたどると必ずしもそうではないようだ。何事も決めつけず、確認して裏を取る必要があることを感じた。2021/10/05
ウォーカージョン
4
近世以前の家族の形態はどうなっていたんだろうと思っていた。当時も核家族だったとは。今の2世帯住宅は、当時と似てるな。2023/06/20
horuso
4
恥ずかしながら、核家族という家族形態は、それを可能とする労働形態が必要だから、近代以降のものだと思っていた。まして農民は協力作業が必要だからずっと大家族なんだろうと。それがどうも違っていて、室町あたりの農民は核家族だったらしい。作業を請け負うだけの小農だから協力も何もないようだ。それは納得するとして、動機は?どういう文化が底流にあって大家族ではなく核家族を選んでいたのだろう。現代と同じと考えていいのかな?あと、介護は大丈夫?片親になったら子供が引き取るというような一節があったが、核家族で介護は大変だろう。2021/08/16