出版社内容情報
江戸時代、犬・鷹・人間との関係には将軍権力が密接に絡み合っていた。犬に対する政策は五代将軍綱吉ばかりではなく、八代将軍吉宗もまた、鷹狩りの復活にともなう野犬対策として積極的に取り組んだ。中野犬小屋は綱吉の死により廃止されたという従来の通説を見直し、元禄~享保の約60年間に大きく揺れ動いた政治や文化を、動物を通して描く。
内容説明
江戸時代、犬・鷹・人間との関係には将軍権力が密接に絡み合っていた。「犬公方」綱吉や「鷹将軍」吉宗の積極的な鳥獣政策に翻弄される庶民生活。両者の諸政策を対比し、元禄~享保年間に揺れ動いた政治や文化を描く。
目次
動物好きの将軍の影響力―プロローグ
綱吉政権と鷹
生類憐み政策と犬
中野の犬小屋
吉宗政権と鷹狩り
鷹場環境の保全
吉宗の犬政策
江戸時代の犬と鷹―エピローグ
著者等紹介
根崎光男[ネサキミツオ]
1954年、茨城県行方市に生まれる。1983年、法政大学大学院人文科学研究科博士後期課程満期退学。現在、法政大学人間環境学部・同大学院環境マネジメント研究科(公共政策研究科)教授、博士(歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こまさん
3
江戸時代、「犬公方」と言われた5代将軍綱吉と「鷹将軍」と称された8代将軍吉宗。両者の鷹狩に対する認識と、犬に対する政策についてまとめられたもの。両者の政策はじつは密接に関わってもいる。両将軍の鷹・犬政策や、江戸時代人の鷹・犬へのまなざしが良く分かる本。2016/04/07
アメヲトコ
2
生類憐れみの令を推進した徳川綱吉と、鷹狩りを復活させた徳川吉宗、この2人の政策の分析から政治と生き物との関係を考察したもの。とくに綱吉が作らせた中野犬小屋の実態についての話を面白く読みました。近年の生類憐れみの令再評価をふまえてもなお常軌を逸しているとしか。2016/07/19