出版社内容情報
★読売新聞 2008.6.15
朝日新聞 2008.7.20
毎日新聞 2008.7.20
読書面に紹介されました!
好評につき緊急増刷決定!
内容説明
江戸時代の大名・旗本や幕府の役人が一覧できる名鑑=武鑑。紋所や大名行列の道具が絵入りで描かれ、二百年以上もの間、ロングセラーとなったその魅力に迫り、出版をめぐる須原屋と出雲寺の百年にわたる攻防を追う。
目次
はじまりはあの夏の日―プロローグ
武鑑の魅力
板元たちの自由な発想
武鑑の板元と享保取締令
須原屋と出雲寺の争い
書物師出雲寺の戦略
板元たちにとっての明治―エピローグ
著者等紹介
藤實久美子[フジザネクミコ]
1964年、東京都に生まれる。1994年、学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士後期課程単位取得退学、日本学術振興会特別研究員・国文学研究資料館COE非常勤研究員(講師)・学習院大学史料館助手等を経て、ノートルダム清心女子大学准教授、博士(史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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浅香山三郎
8
『武家名鑑』といふ種類の出版物を、出版競争といふ観点から追ふ。『武鑑』とは何かをその性質・成立から論じるのが前半、須原屋と出雲寺の板元による競争と版権についてを後半で説明してゐる。私は「べらぼう」は断片的にしか見ていないが、版権や同業者同士の統制・内紛といふドラマのひとつの柱になつてゐる要素を理解するにも有用な本である。もつとざつくりと説明してゐるものもあるのでせうが。2024/12/13
wang
3
江戸時代の大名家の系図や紋章・行列の道具立てなど網羅した当時の作法に不可欠な武鑑について。内容ではなく形式やなりたちなど。後半は江戸時代の出版株仲間の権利闘争から武鑑の位置づけや幕府の視点など。権力を持つ老かいな人物が強引に権利を拡大しようとする様は守勢の業者に肩入れして応援したくなる。幕末大政奉還翌年に新秩序での武鑑が発売されたり明治になり華族名鑑に変わるなども興味深いテーマ。武鑑が一部だけでも欲しくなったが相当高値なんだろうなあ。2011/04/02
takao
2
ふむ2023/07/08
arere
0
近世の出版、紳士録の成り立ちを知る。2016/04/03
伊達者
0
武鑑は大名行列を扱った時代小説にも出てくるもので興味を持っていたが,筆者はその専門家と言える存在で江戸時代の出版業界の事情なども詳しく書かれている。少々詳しすぎでスルーしたところもある。崩し字を読むだけでも大変だろうに百年間に渡る江戸時代の出版物の変遷を詳しく研究しているという専門学者の姿勢に感服。2023/02/01