出版社内容情報
平安時代中期の武人。頼義、義家、さらには頼朝を輩出した河内源氏の祖。清和源氏満仲の子に生まれ、摂関家に仕えて盗賊捜索で活躍、上野・常陸などの受領となる。平忠常の乱では朝廷より追討使に任じられると、軍兵を動かさずに降伏させ、貴族社会の信頼を勝ち取る。兄の頼光・頼親とも比較し、院政期の武士と異なる摂関期の武人の実像に迫る。
内容説明
平安時代中期の武人。頼義、義家、さらには頼朝を輩出した河内源氏の祖。清和源氏満仲の子に生まれ、摂関家に仕えて盗賊捜索で活躍、上野・常陸などの受領となる。平忠常の乱では朝廷より追討使に任じられると、軍兵を動かさずに降伏させ、貴族社会の信頼を勝ち取る。兄の頼光・頼親とも比較し、院政期の武士と異なる摂関期の武人の実像に迫る。
目次
第一 祖父源経基
第二 父源満仲
第三 頼信の生い立ち
第四 叙爵から長徳の変へ
第五 受領時代の頼信
第六 平忠常の乱勃発
第七 乱の終結
第八 頼信と河内国
第九 頼信の妻子
第十 頼信の兄弟
第十一 摂関期の武人
著者等紹介
寺内浩[テラウチヒロシ]
1955年大阪府生まれ。現在、愛媛大学名誉教授・博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
13
河内源氏の祖・頼信の評伝。兄の頼光が摂関家への奉仕に努めてド派手に昇進し、大国の受領を歴任したのに対し、その辺のパイプが弱かった頼信は、出世レースでも受領としても冴えない壮年期を過ごす。ただ人生の終わりに平忠常の乱を平和裏に鎮めたことにより評価が爆上がり。美濃、河内を領して子孫発展の基礎を作った。まだ「武士」と呼ぶにはギラついておらず、あくまで朝廷や摂関家に仕える中級貴族という印象。系譜としては後の武士に繋がるが、その活動は9世紀の武人に近いという著者のまとめが面白い。武人から武士への過渡期の人物である。2025/10/21
お抹茶
3
源頼信とその一族の軌跡を記す。史料がないこともあり動静が不明な時期や人もいる。長徳の変で頼信の名は見つからないが,道兼の家人であり,兄二人が道長方についていた。平忠常の乱では,軍兵を動かさずに降伏させ,貴族社会の信頼を勝ち取った。摂関期の京では大きな軍事警察力は必要とされていなかったため,武人が活躍する機会は限られていて壮年期に頼信に武的活動は見られず,「兵の家」より一般貴族の生活だった。2025/03/16




