内容説明
東洋伝道の使徒として始めてインドに至り、同地およびマラッカに、ついで日本に来ってキリスト教を伝え、一旦帰印後、さらに中国に伝道を志し、入国のまぎわに熱病に斃れた偉大なる聖職者。日本における苦難に満ちた2年余の伝道は、わが国の歴史の上に画期的意義を有する。本書は、その全生涯の正確・克明な素描である。
目次
少年時代
パリー留学
イエズス会の創立
東洋伝道の召命
インドのポルトガル勢力
インドの布教
伝道の困難
アンジローの日本
鹿児島の1年
鹿児島から山口へ
京都、再び山口へ
山口から府内へ
日本退去
中国伝道の計画
上川島―帰天
フランシスコ=ザヴィエルの署名と各国綴字一覧
附録 ザヴィエル上人の遺骸
聖フランシスコ=ザヴィエル家系図
ザヴィエル略年譜
聖フランシスコ=ザヴィエル伝道足跡図
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
15
我が国に二年余の足跡を残す。1506年バスク人の打ち立てたナヴァル王国の名門に生まれ、1952年広東を望みつつ中華入域を果たさず亡くなった、列聖されたザヴィエルの、数少ない日本語伝記として短い乍ら貴重な本である。ザヴィエルは多くの書簡や、ポルトガル領ゴアの行政記録等々膨大な資料が残され、各国語で伝記が出版されるが、意外にも我が国滞在の直接資料はなく、本書の記述が限られるのもやむを得ない。キリスト教布教の熱意は兎も角、インドに尚残された遺体に対する聖骸崇拝の異様さが端無くも示され、異教徒の私には理解を超える2024/04/12
たかぴ
4
かなり古い本だが文章は流暢だし読み易い。2023/05/22
カラス
3
吉川弘文館の人物叢書は、なんだか専門書っぽいなと敬遠していたんだけど、全然そんなことはなく普通に読みやすい伝記だった。文章は平明で非常に読みやすくそのうえ、無味乾燥な記述ではなくザヴィエルの人物像がきちんと伝わってくる。200ページに満たない伝記としては要領よくまとまっており、手軽に読める良い本だ。基本的にはザヴィエルの行動を描くことがメインで、その思想や神学についてはほとんど触れられていないが、このページ数でそこまで求めるのは贅沢だろう。ザヴィエルの人生をコンパクトにまとめた良書。2019/06/28
多読多量連投が日課だった
1
日本史教科書によく出る宣教師の話。布教が霊感商法で改宗した奴は阿保だと思い知らされる一冊。まー天草四郎の乱辺りの布教は改宗しないと殺す!だったそうだし。そして罪は天草四郎になすりつけられた。2017/06/04