内容説明
近世大阪随一の富豪鴻池家の初代から近代までの一貫した歴史を、従来未公開であった厖大な資料によって丹念に追求した力篇。醸造業から海運業へ、そして大名貸その他の金融業へと発展する財閥成長の過程を、歴代当主のすぐれた業績と人物とを織込んで叙述し、特にその同族組織や事業内容をも克明にえぐり出した画期的著作。
目次
第1 鴻池家の遠祖山中鹿之介幸盛
第2 始祖新六幸元
第3 酒造家としての鴻池
第4 初代善右衛門正成
第5 2代喜右衛門之宗
第6 3代善右衛門宗利
第7 その後の鴻池
感想・レビュー
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狐狸窟彦兵衛
1
大阪の富豪・鴻池善右衛門のルーツから全盛期、幕末、明治、昭和へと続く歴史を豊富な資料で解説してあります。「鴻池善右衛門」というのは、代々襲名されてきた個人の名前ですが、そのありようは、一種の会社名というか、鴻池家が興してきた事業の総称というような存在であったことを丁寧に解いています。また、酒造業から海運、両替商と日本の経済の発展に機敏に反応して変化する家業や、大名貸しの仕組みの解説なども大変興味深い内容でした。初版が昭和33年で新装版が昭和61年第一刷、平成7年新装版第3刷というのもびっくりぽんでおます。2016/05/20