出版社内容情報
「簓」「説教者」と呼ばれ、豊作を祈る正月の予祝芸を担う芸能者たち。彼らは、領主から「牢守」の役を課される一方で、地域社会では百姓の共同体から疎外され、村の下(した)役(やく)を強要された。南信濃に伝わる史料を軸に、「簓」「猿牽」「笠之者」など、周縁化された人々の存在に焦点をあて、多様な身分集団が複層的に交錯する地域社会の具体像に迫る。
内容説明
「簓」「説教者」と呼ばれ、豊作を祈る正月の予祝芸を担う芸能者たち。彼らは、領主から「牢守」の役を課される一方で、地域社会では百姓の共同体から疎外され、村の下役を強要された。南信濃に伝わる史料を軸に、「簓」「猿牽」「笠之者」など、周縁化された人々の存在に焦点をあて、多様な身分集団が複層的に交錯する地域社会の具体像に迫る。
目次
地域社会の見方
第1部 身分的周縁と地域社会―「簓」・笠之者・猿牽(万歳と簓;春田打と「笠之者」;下役と身分的周縁;飯田藩領域の牢守による下役の編成―谷川七左衛門と猿牽・簓;寺社と芸能者―夙の近世的編成)
第2部 地域社会のなかの芸能者(「簓」―周縁化された芸能者と地域社会;人形芝居―道薫坊)
周縁化された芸能者
著者等紹介
吉田ゆり子[ヨシダユリコ]
1958年、京都府に生まれる。現在、東京外国語大学外国語学部名誉教授、博士(文学、東京大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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