内容説明
1854年、「特異で半ば野蛮な国」と評された日本は、近代世界への一歩を踏み出した。当時の日本人の目には、「文明国」としての欧米諸国はどう映ったのであろうか。この開国は、日本の、そして東アジアの、近代という時代の始まりをも意味した。北方の文化との交流も併わせ、日本と世界との関係を考える。
目次
1 近代世界との出会い(和親条約期の幕府外交について;19世紀初期日本人の英国像―日英交渉史の視角において;日本開国期の「文明」と「未開」;維新前後の「文明」と「未開」)
2 東アジアのなかの日本開国(朝鮮信使大坂易地聘礼計画をめぐって;幕末期日朝私貿易と倭館貿易商人―輸入四品目の取引を中心に;対馬藩攘夷政権と援助要求運動;「中華」の国から「夷狄」の国へ―近代中日両国の初めての遣外使節団の西洋見聞)
3 サハリン・アイヌモシリと日本開国(サハリン島における日本人とアイヌ人―19世紀中葉のロシア人の報告から;蝦夷地第二次直轄期のアイヌ政策)
著者等紹介
井上勝生[イノウエカツオ]
1945年岐阜県生まれ。1969年京都大学大学院修士課程修了。現在北海道大学文学部教授
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