内容説明
礼と法の二元構造をもつ中国律令制と違い、日本律令制は、氏族制と官僚制から構成されていた。八世紀以後、中国礼制の受容と共に氏族制が解体し、平安貴族社会が生まれる過程を、官制と礼秩序の変遷から解き明かす。
目次
問題の所在と本書の構成
第1部 律令官制の基本構造(弁官の変質と律令太政官制;延喜式から見た太政官の構成と行事;古代冠位制度の変遷;律令官人制と君臣関係―王権の論理・官人の論理;律令官制における京官と外官―比較国制史としての律令制研究にむけて)
第2部 日唐儀制令の比較研究(儀制令と律令国家―古代国家の支配秩序;儀制令における礼と法―律令法系の構造的特質をめぐって;座具から見た朝礼の変遷―養老儀制令12庁座上条の史的意義;日本律令制における威儀物受容の性格―養老儀制令13儀戈条・15蓋条をめぐって)
第3部 律令制と礼の受容(唐の礼制と日本;礼と儒教思想)
著者等紹介
大隅清陽[オオスミキヨハル]
1962年福岡県門司市に生まれる。1993年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。滋賀大学経済学部講師・助教授を経て、山梨大学教育人間科学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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