内容説明
儀式と天皇制が古代史研究の緊急課題として新たな進展をみせている。年中行事はその繰り返しにより、時間の循環と王権統治が確認され、天皇制と律令国家に重要な役割を果すが、個別の行事それぞれは、国家とどのように関わり展開したか。武力に関わる年中行事儀礼を中心に分析、中国・朝鮮などの儀礼をも比較し、古代国家と天皇支配の構造に迫る。
目次
はじめに―これまでの研究と本書の構成
1 射礼・賭弓・弓場始―歩射の年中行事
2 五月五日節―律令国家と弓馬の儀礼
3 相撲節
4 八月駒牽―古代国家と貢馬の儀礼
5 大晦日の儺
6 年中行事の重層構造
おわりに―年中行事の構造と古代国家