出版社内容情報
古来、大地震で甚大な損害を被ってきた日本。1880年に世界初の地震学会が結成されて以来、日本の地震学は独特の展開を辿っている。有史以来、約1400年に及ぶ地震と人々との関わりを追い、被害地震に伴って歩んできた地震研究の実態を、理学の視点を中心に、海外の研究も織り交ぜながら歴史的に振り返る。津波被害や原発関連のコラムも収める。
【目次】
プロローグ―地震被害の歴史―
I 地震観測の実現
(1)地震観測事始
(2)黎明期の地震学
(3)ヨーロッパのSeismologyの展開
(4)アメリカのSeismologyの展開
(5)国際的地震観測網の歴史
Ⅱ 日本の大学での地震学
(1)東京大学地震学教室
(2)京都大学の地球物理学の歴史
(3)東北帝国大学の地震学の歴史
コラム 1891年濃尾地震の有名な水鳥の地表地震断層から考える
Ⅲ 戦前の地震学
(1)震災予防調査会
(2)1923年関東地震と地震学
(3)中央気象台の地震観測
(4)戦時下の地震学
(5)占領下の地震学
コラム 武?氏の地震史料収集
Ⅳ 戦後の地震学
(1)戦後体制の浸透
(2)エレクトロニクスの恩恵
(3)地震予知研究計画の開始
(4)地震予知連絡会の設立
コラム 日本の津波被害
Ⅴ 高度成長期の地震学
(1)地震研究所紛争
(2)ショルツ理論の登場
(3)伊豆半島の隆起
(4)想定東海地震の提唱
(5)西相模湾断裂仮説と小田原地震切迫説
(6)1978年宮城県沖地震
(7)1983年日本海中部地震
(8)1984年長野県西部地震
コラム 震源域至近での地震動について
Ⅵ 平成以降の地震と地震学
(1)1993年北海道南西沖地震
(2)阪神淡路大震災の発生
(3)地震調査研究推進本部の設立
(4)活断層への注目
(5)2003年十勝沖地震の発生
(6)2004年中越地震と2007年中越沖地震の発生
(7)2008年岩手宮城内陸地震の発生
(8)2011年東日本大震災の発生
(9)津波への注目
(10)2016年熊本地震
コラム 原発と地震学
Ⅶ 地震の原因論の歴史
(1)近代以前の地震観
(2)活断層という概念の登場
(3)初期の地震学者達の説
(4)発震機構の時代
(5)ダブルカップルかシングルカップルかの国際的論争
(6)転位(ディスロケーション)論の時代
(7)プレートテクトニクスの登場
(8)地震発生の物理学の誕生
コラム 大地震発生はサイコロ賭博か
Ⅷ 現在の地震学の状態
(1)2024年能登半島地震
(2)大学法人化と学術研究
(3)これからの地震学
付録 震災予防調査会の設立目的と現時点での学問の到達点と
あとがき
参考文献



